(その頃、永遠亭上空……)
事態は更に悪化する。どうしてこうも私にばかり向かい風が来るのか。魔住職と魔理沙のコンビや天狗と洗脳された橙だけでなく、妖怪の山から神様までもが迫ってきていたのだ。
早苗「貴女の作ろうとしている世界に、きっと私はいない。ならば、この計画は阻止させてもらいます!」
神奈子「幻想郷はゆっくりと歩みを進めていくべきだ。あまりに急進的な進化も考え物だが、停滞した世界など死んだも同然だからな」
かくなる上は仕方ない。これだけの敵を止めるのは現実的ではないので私は策を用いることにした。空飛ぶ八雲亭から熱波を放つことで外来人としての側面の強い山の神々は無力化できる。
その混乱に乗じて……!
私は早速行動に出た。結界から拡散する「熱波」を避ける手段などない。山の神々を倒すことは出来なくとも相当のダメージは与えられるはずだ。それでいい、それで。
あとは騒ぎに乗じて私は一気に距離を詰め、あの憎き銀翼を彷彿させる機械的な乗り物から脱出しようとする早苗の首根っこを掴んだ。
藍「さあ、この状況が分かるか? 少しでもこちらに危害を加えるのなら、私にも考えがある。この娘はある程度幻想郷に馴染んできたようだが、それでも収束した『熱波』を食らえばひとたまりもないだろう」
こういう手はあまり使いたくなかったが、仕方がない。案の定、真っ先に山の神様が突っかかってくる。誰よりも前に躍り出ると声を荒げてこちらに掴みかかろうとする。
神奈子「ふざけるんじゃないよ! そんな手が通用すると思ってるのかい?」
こいつ、私がハッタリをかましていると読んでいるようで、まるで怯む気配もない。ならば私の本気を見せざるを得ないだろう。
藍「少し頭が足りないようだな。いい機会だ、コイツは見せしめだ」
私は神奈子に注意を向けつつも空飛ぶ八雲亭に視線を一瞬だけ送る。ほどなくして結界が発光すると、集束した熱波がピンポイントに早苗を貫いた。目立った外傷こそ見られなかったが、力なく落ちていく。脳が焼き切れたのだろう。
藍「くははは! 私を見くびり過ぎだ。やると言ったらやるのが私だ。少々高い授業料だったかな?」
神奈子「この腐れ外道めっ、よくも早苗をぉぉぉ!」
やはり激昂して注連縄と御柱を背中に背負いつつ突っ込んできた。やれやれ、腐れ外道と来たか。いいだろう、幻想郷を守るためだ。外道だろうが何だろうがやってやろうじゃないの。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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