紫から告げられたのはあまりに無情な事実。霊夢の記憶は完全に失われ、もはや元の博麗の巫女には戻れないというのだ。紫の悲痛な面持ちからもそれが本当であることが見て取れる。

魔理沙「嘘だと言ってくれよ! それじゃあ霊夢は死んじまったのと同じじゃないか!」

涙ながらに懇願する魔理沙が何度も訴えかけるも事実がねじ曲がったりはしないだろう。記憶をなくして廃人のようになってしまった霊夢が不思議そうに魔理沙を光のない目で見つめていた。

そんな彼女の肩を強く抱いて、金髪の少女はまくしたて続ける。

魔理沙「霊夢、お前もいつまでも寝ぼけてんじゃないぞ! 宴会でベロンベロンになった私を介抱してくれたこともあったよな? アレ、ちょっとだけ覚えてたけど頼もしかったぜ? それだけじゃない、どっちが先に異変の黒幕をとっちめるかで競争したこともあったよな? 結局有耶無耶になっちゃって、今度また何かあったら競い合いましょうって約束したじゃないか! 全部忘れちまったのか!? おいっ!!」

あれだけがなり立てても、必死に肩を揺さぶっても霊夢は上の空といった感じ。当然これらの記憶も失われているのだろう。

紫「魔理沙、気持ちは分かるけど辛いのは貴女だけではないの。その有り余るエネルギーは青娥を倒すことに向けて頂戴」

見てられなくなったのか、紫が止めに入る。それでも魔理沙は止まらなかった。

魔理沙「……決めたぞ。あのいけ好かない邪仙はぶちのめすことはもう決まっていることだったが、もう一つ決めたぞ! あの八雲亭に霊夢も連れていく!」

なんだって!? 今の霊夢は抜け殻のようなものだ。連れて行ったところで足手まといになるのは確実である。

紫「無理に決まってるでしょ! 今の霊夢には戦う力だってないのよ? 戦えないどころか足手まといにもなりかねない」
魔理沙「いいや、私は連れていく。戦地に赴いて激しい弾幕を見ていれば記憶が戻るかもしれないだろう? 頭で忘れていても体が覚えてる。それに私は賭けるぜ」

何とも滅茶苦茶な理論を……。当然紫は論理的ではないと猛反対する。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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