(その頃、天狗の里では……)
ボヤけた意識が次第にクリアになっていく。ああ、どうやら私はあの九尾にやられてしまったらしい。誰かの手によって(おそらく文だろうけど)私は家に運び込まれていた。
手には見事に修理されたカメラが握られていた。これも文が手配したのかしら? どうやら随分と気を失っていたらしい。
はたて「こうしちゃいられない! 今の状況を把握しないと!」
体は動くし念写もバッチリ。ならば○○がどうなったのか確認しなくては。はやる気持ちを抑え込みつつ、私は映写機に念じる。そうして複数の映像が浮かび上がってきた。
大きな魚と戦う銀翼、その背後には黄金の八面体。ぐったりしている藍を看病している橙、白蓮さんと紫さんが話している様子……紫さん!?
はたて「あの九尾が言うには『もう死んでいる』ってことだったけど、でもこの写真は……? ってかなんかみんな一緒にいるし」
私が気を失う前から随分と状況が変わっているのは明白だ。恐らく場所は周囲の風景から推定するに守矢神社だろう。
私は背中の翼を大きく広げ、何が起こったのかこの目で確認する為、神社に向かって一直線に飛翔した。
天狗の速さにかかれば守矢神社と天狗の里は目と鼻の先といえる。一気に高度を上げてすぐに駆け付けようとした矢先、わずかに八面体が輝いた気がした。
はたて「あっつ!?」
そこから放たれたであろう熱波。だが私はこの熱風にただならぬ「何か」を感じ、やむなく高度を落とすことにした。
そういえば藍が「外来人殺しの熱波」なんてものを使っていた。藍がその場にいないということは何者かに(恐らくはあの八面体だろう)八雲亭は乗っ取られて熱波の性質を反転させられて「幻想郷殺しの熱波」とかになっているのかもしれない。
だとしたら避けようとするのは賢明な判断だろう。
木々をよけながら私は低空飛行で守矢神社に向かった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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