薄暗い回廊は恐らく八雲亭の地下室にあたる部分だったのだろう。浮かび上がって久しいこの屋敷もここは薄暗くひんやりと、そして少しジメジメとしていた。
早苗「敵の気配がまったくないですね……」
うむ、魔力レーダーにもそれらしい反応は見られない。恐らくは「石のような物体」側に青娥や様々な戦力が集まっており、ここは手薄になっているのだろう。
貴方「少し休憩していくか」
先程までの激戦、そしてこれからの決戦を考えると肉体的にも精神的にも一呼吸置くべきだと俺は判断していた。特に博麗の巫女としての記憶が欠落している霊夢はそれが顕著だ。
俺は霊夢をコクピットから降ろすと椅子に座らせた。彼女の様子は早苗が見ているようなので任せてしまっていいだろう。俺は魔力レーダーを見張り何かしらの敵の接近に備えなくてはならない。
で、魔理沙はというと……。
魔理沙「すげぇ、すげぇぞ! ここ八雲亭の書庫じゃんかよ!」
早速「お宝」の匂いを嗅ぎつけて本棚を物色している。やれやれ、緊張感よりも好奇心が勝ったのだろう。魔理沙らしいというかなんというか……。
魔理沙「むっ、なんだよその呆れた顔は? これから戦う敵についての情報とか、霊夢を元に戻すヒントとかが眠ってるかもしれないだろ?」
これから戦う敵、それはあまりに強大な存在だ。そのことについて言及しようとしたが、俺よりも先に早苗が説明していた。
早苗「敵の情報なら私が掴んでいます。青娥さんに力を貸している黄金の八面体は『石のような物体』、またの名を『産土神黄輝ノ塊』と呼ばれるものです。創造神……あるいは地球そのものの意思のような存在であり、破壊は不可能です」
そう、あの八面体「産土神黄輝ノ塊」は少なくともゲームの中で明確に破壊されたという描写はされていなかった。
人類が「間違った進化」をしたから一組の男女を残して地球を滅亡させ、残された男女も太古の昔にタイムスリップさせるというちょっと困った神様という側面が強いはずなのだ。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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