(銀翼達が飛び立った後の守矢神社……)
結局……こうなってしまうのか。私はみるみる小さくなっていく三つの点を眺めながらため息を一つ。
白蓮「行ってしまいましたね。ですが、○○さんならこんな時、こうするのではないかって思っていました」
まったく、荒唐無稽ながら妙に人を惹きつける……。そんな不思議なアイツを見送りながら、尼僧は今も人懐っこくニコニコと私に声をかけてくる。
紫「だけど、絶望に飲み込まれた魔理沙を立ち直らせたのもまた事実なのよね」
魔理沙は最初こそ自暴自棄になりあの「石」に特攻を仕掛けるつもりに見えた。だが、○○が介入したことでその意味合いは大きく変わっていたのだ。目的を果たしてそして全員生きて帰る……と。
白蓮「そう、○○さんの抱く希望の光で魔理沙さんを立ち直らせたのです。それだけでなく、早苗さんまで味方につけてしまいました」
絶望に瀕した人に手を差し伸べ、一つ一つは小さくてもそれらを繋ぎとめる……。
紫「やはり、銀翼と○○は希望を繋ぐ。そんな能力があるのかもしれないわね」
力はあんなに弱いのに、それでも足掻いて足搔いて。あの子はいつだってそうだった。どんな逆境に立たされても決して希望を捨てず、いつだって瞳に光を絶やさず宿し、周りを巻き込みその状況を打破してきた。
「希望」は私だけのものではない。私の中だけで光るものではないのだろう。今はその光が頼もしい。だからこそ、私は希望を失うことが怖かった。怖かったけれど、あそこで繋ぎ止められる筈がなかったことも心では理解していた。
白蓮「はいっ、今では私の大切な家族です。きっと今回も元気な顔を見せて私の元に戻ってくるでしょう」
手を組みながら空に目をやり想いを馳せる。そんな純真な尼僧のキラキラした瞳に、私は罪悪感さえ芽生えてきた。
何故なら、私は知っていたのだ。○○はこの戦いから帰ってくることはない。敗北したのであればもちろんのこと、たとえ勝利したとしても。
そういう運命なのだ。何故なら、あの銀翼は……。
紫「住職サマ、これからもあの子のこと、よろしく頼むわね。たとえ、どんな結末を迎えたとしても……」
○○の保護者として、私は彼女にそのことを伝えなくてはならない。だが、それが出来ないでいた。私の「計画」に、あの外来人の無事は問わないということを……。
それでも今更修正はきかない。もはや猶予は与えられず選択の余儀もない。あの外来人に愛着を持ち過ぎてしまったのだ。私の想定以上に。だから私も心苦しい。
だけどっ……!
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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