(その少しだけ前、守矢神社では……)
○○さん。突然この幻想郷にやってきて、何故か紫さんに命を狙われていた外来人。紆余曲折を経て私達の家族となり、時には力を合わせ、時にはすれ違い、たまには反目もしたり。
そんなこんなの繰り返しで私は彼と親睦を深めていきました。紫さんも最初の弾幕ごっこを経てからは彼に協力的で本当に幻想郷の住民として受け入れられたなととても感慨深くもなりました。
私に似て真っ直ぐで正義感にあふれ、それゆえに周りが見えなくなってしまうこともあるような、そんな○○さんは私の家族の中でも特別な存在として記憶に刻まれているのです。
白蓮「行ってしまいましたね。ですが、○○さんならこんな時、こうするのではないかって思っていました」
そんな○○さんが決意を胸に今までにない大きな困難に立ち向かおうとしているんです。紫さんが止めても私が止めても、彼ならそうしていたでしょう。
紫「だけど、絶望に飲み込まれた魔理沙を立ち直らせたのもまた事実なのよね」
そう、彼はどんな逆境に立たされても決して光を絶やさないような強い心を持っています。強いだけでなく、今の魔理沙さんのように絶望に苛まれた人を照らして笑顔にさせるような不思議な力まで持っているのです。
白蓮「そう、○○さんの抱く希望の光で魔理沙さんを立ち直らせたのです。それだけでなく、早苗さんまで味方につけてしまいました」
そして抱いた希望で皆を繋げてしまう。皆の希望の光があれば大きな困難だって乗り越えられてしまう。
紫「やはり、銀翼と○○は希望を繋ぐ。そんな能力があるのかもしれないわね」
言うなれば「希望を繋ぐ程度の能力」といったところでしょうか? 銀翼と○○さんが織りなす、彼らだけの能力……。
だから確信していました。○○さんはまた戻ってくる。そうしたら一緒に命蓮寺で平穏な日常を歩めると。
白蓮「はいっ、今では私の大切な家族です。きっと今回も元気な顔を見せて私の元に戻ってくるでしょう」
それだと言うのに、紫さんの表情は晴れない。見上げると○○さんに味方をしているらしい艦隊が守矢神社に大きな影を落としていた。味方だっている。上手く行かない筈がない。私はそう信じているというのに。
紫「その……。貴女には伝えないといけないわね。あの子はもう戻ってこれないわ。何故なら……」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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