早速彼は弾幕ごっこを始めるべく動きだした。少女なんかよりもずっと大きい戦闘機がどうやって弾幕の隙間をくぐるのかと思ったら、どうやら小さく縮むことで少女並みの大きさになることが出来るという機能があるらしい。
そして氷の妖精と戯れたりもしていた(恐らく本人達には真剣勝負だったのだろうが)。藍によると勝ったり負けたりの繰り返しであり、実力的には氷精レベル。ゆえにさほど脅威的なものではないとのこと。
彼なりに幻想郷に馴染もうとしているのだろうか? 少し興味深くもありこちらに敵意を向けている限り力を持て余して暴走するという事態に陥ることは考えにくいので、もう少し観察してみることにした。

外来人の夢に中に入り込んで決闘を受け入れる旨を明かした。相手は相当怯えていたようだ。見てて面白いからもっと脅してみる。なるほど、人間を普通に脅かすだけでもなかなか妖怪らしくなるではないか。

私は私であの戦闘機(「アールバイパー」というらしい)について調べてみることにした。幻想郷で戦闘機についての文献があるとは思えない。案の定紅魔館の図書館を一通り回ってみたも収穫なし(その際に魔理沙とアールバイパーが紅魔館に入り込む様子を確認した。今度は魔理沙と遊んでいるのか)。

外界に出て戦闘機について調べるもやはりまともな情報は得られない……と、ここで私は重大な見落としがあることに気が付いた。
アールバイパーは本来ゲームの中の存在。実在の戦闘機について調べても出てくる筈もないのだ。改めてゲームの方を調べて回る。

アールバイパー自体は発見できなかったがよく似たタイプの戦闘機の存在を確認。名前は「ビックバイパー」、ミサイルとレーザーを駆使して戦うがその最大の特徴は自身を追従する「オプション」と呼ばれる攻撃支援ポッド。どうやら最大4つまで装備可能であり、一つ一つが本体と同じ火力を持つようである。更にはオプション自体に攻撃を加えても破壊出来ないというオマケ付き。火力が最大5倍になるのは脅威的だがこれは一気に本体を叩けば問題ないだろう。オプションの見た目は本体とは全然違うので見間違う心配もない。

恐らくはアールバイパーも先程調べたビックバイパーに類似した能力を持つのだろう。もっと調べようとした矢先、慌てる藍から知らせを受け取る。

アールバイパー、紅魔館の主レミリアを撃破する。勝因は「ネメシス人形」と呼ばれる上海人形。どうやらその上海人形をオプションに見立てて戦闘したらしい。

少し前はチルノレベルであった戦闘力が異常な速度で上昇している。藍は危険な超技術でありこれ以上放っておくことは得策ではないと言うが、逆に私が興味をひかれてしまった。
私は怖かったのだ、いきがって決闘を仕掛ける外来人が恐ろしい程弱くて決闘として成り立つのかが。レミリアを倒す程度の実力ならある程度は楽しめるだろう。
ただの口だけではない、今時の外来人にしては珍しい妖怪を倒してやるぞという強烈な闘志を持った人間。油断していたら私も……退治されるかもしれない。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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