目を覆いたくなるような惨状。俺が霊夢の後をついて行って見られたものを一言で表すとその一言に尽きる。人里の人間から『悪さをする妖怪を退治してくれ』と依頼された上での行動ならまだいい。中には『珍しいものを持った妖怪だから』という理不尽な理由で勝負を仕掛け、打ち負かしたうえでそれを持って行ったりだなんてこともしていた。
貴方「待ってよ、そいつは何も悪さしてないじゃないか」
霊夢「うっさい、私の目の前に妖怪がいる。妖怪は徹底的に退治よ!」
これではどちらが人間でどちらが妖怪なのかわからなくなってくる。正直彼女から学べるものは……ない。弾幕ごっこのテクニックだけでも盗もうとしたが、何せ格が違いすぎて参考にならないのだ。
(少女弾幕中……)
散々日暮れまで付き合わされてもうぐったりである。ようやく霊夢から解放された俺はアールバイパーを飛ばし、命蓮寺への帰路につく。
と、キャノピーにベチっと何かが落ちてきた。最悪だ、鳥のフンか。いや、それにしては大きすぎる。な、なんじゃこりゃ!?
前が見えなくなったことで飛行が不安定になる。仕方なく緊急着陸するとキャノピーにこびりついた白い物体を引きはがす。
なんだコレ……? 真白く微妙に透き通っている。特に匂いはしないようだ。触り心地はまるで白玉とかお餅のようにモチモチしている。
こんな得体の知らないものは捨ててしまおう。そこらの茂みに投げ込もうとする。
が、その白い塊がふるふると震えた。まるで嫌がっているかのように。うーん、もしかしてこれは生命体なのか? でも一言も発しないし、なんというかいわゆる生気ってものをこの物体からまるで感じないのだ。
ここで頭をひねっても解決しない。誰かの落とし物かもしれないしとりあえず命蓮寺に戻って保管しよう。あそこに置いておけばしばらくは安心だろうし。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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