白蓮「それでは……」

響子「いただきますっ!」

いつもの食事の風景。幽霊らしき真っ白い生命体がいることを除いて。俺はコイツに食事を分けているので腹が膨れないが、一々食べたり喜んだりのアクションが可愛いのでなかなか止められない。

一通り食べ終わるとカッチリと体を折り曲げてお辞儀のような動きもして見せた。礼儀作法まで身に着けている……。ますます何者なんだコイツは?

食事を終えて皆がまた散り散りになる頃、俺は白蓮に尋ねる。今日の夕方、帰り際にいきなり降ってきた真っ白い謎の物体が落ちてきたこと、どうやら生命体であるらしいということ、さらに言うと魂ような形をしているということ。

俺のわかる範囲での説明を聞きながら幽霊っぽい何かを触ったりなでたりしている白蓮。しかし表情は浮かない。おばあちゃんの……失礼、年長者の知恵袋もお手上げなのか。

白蓮「この子は……幽霊ですね。ちょっと生命体と呼ぶには語弊があります」

ちょっと見ただけでは白蓮でもこれ以上はわからないという。心当たりがあるのでもう少し調べますとだけ言い残して白蓮は部屋に閉じこもってしまった。

こんな腕白な幽霊を連れていては調べ物の邪魔になるだろう。俺は大人しく部屋に戻ろうとしたが……

貴方「おいっ! どこに行くんだよ?」

俺の腕の中をスルリと抜け出すと真っ白な幽霊は勝手にどこかへ飛んで行ってしまった。俺は見失わないように急いで追いかける。


(青年追跡中……)


幽霊が逃げ込んだ先はアールバイパーの格納庫であった。

どうにか捕まえようと手を伸ばすが、狭い場所をスルリと通り抜けられてしまった。人間の体ではそんな芸当できないので、仕方なく大回りして追いかける。

にとり「うわわっ!? なんだなんだ??」

アールバイパーのメンテナンス中だったのか、河童の素っ頓狂な叫び声が響く。

貴方「おうい、そいつを捕まえるのを手伝ってくれ!」

しりもちをついていたエンジニアを呼ぶと二人で幽霊を追い回す。

にとり「そっち行ったよ!」

しかしこんな実体を持っているのかどうかも怪しいこいつを捕まえるのは並大抵の難しさではない。
ある時は俺の股下を潜り抜け、ある時はバイパーの真下に潜り込まれ、ある時は二人で捕まえようと同時に飛び掛かったらお互いの額をゴッツンコしたり……。

ヘトヘトになりながら追い回した挙句、ようやく腕白幽霊を捕まえることに成功したのだ。にとりに礼を言うと、今度はまた逃げ出さないようにしっかりと抱きしめながら部屋に戻ろうとする。

貴方「散々走り回って汗ぐっしょりだ……。そういえばコイツもあちこち汚れているな」

あんな格納庫を縦横無尽に飛び回ったのだ。そりゃあ汚れる。俺はこの幽霊っぽい生命体と一緒にお風呂に向かうことにした。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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