修羅場だった。風呂場に連れて行き、脱衣所まで着いたはいいものの、突然白い生命体がジタバタと暴れはじめるのだ。

貴方「この腕白小僧め……。キレイにするんだから大人しくしてくれ」

幽霊の先端(細長くなってる)でピシとこちらを叩いてくるが、どうにか逃げ出さないようにホールドしつつ浴場へと向かう。

膝の上に置いて、お湯をかけつつタオルで優しめにゴシゴシ擦る。その間も幽霊は嫌がっているようであった。水が苦手な幽霊だなんて聞いた事ないぞ……。水にトラウマでもあるのか……? いや、船幽霊のムラサだって入浴はするんだ、その線は薄い。単にお風呂嫌いとかなのだろう。

幸い猫のように鋭い爪や牙があるわけではないので引っかかれたり噛みつかれたりはない。石鹸で念入りに洗いつつ汚れを落としていく。が、また暴れ出した。しかも今度は石鹸でヌルヌルになっていたので俺の腕の中から滑り落ちて縦横無尽に飛び回り、そして湯船にダイブした。ああっ、まだ石鹸落としていないのに……。

せめて石鹸だけでも落とすために捕まえようと俺も湯船に入る。幽霊はまるでコブラのように体を持ち上げて威嚇しているようだ。思いっきり警戒されている。仕方ない、一度諦めた風を装って隙を見て捕まえるか……。

俺はゆっくりと肩まで湯船につかると、この奇妙な生命体も警戒態勢を解いて湯船に入り始めた。なんだか避けられているような気もするが、そんなに体をゴシゴシされるのが嫌だったのだろうか?

よし、そろそろ行動に出ようと俺は幽霊に掴みかかった。よし、捕獲成功。だが、ジタバタと暴れ始めて思うように動けない。

貴方「後は石鹸を洗い流すだけなんだからもう少し大人しくしてくれっ!」

今度は取り落とさないようにしっかりと掴んでいるが、暴れるせいであっちへふらふらこっちへふらふら……。そして不意にピョーンと跳ねた。俺もつられて動いてしまう。そして向かった先は入口……。

白蓮「すっかり遅くなってしまいましたが……」

入口が急に開かれた。その先にいたのは一糸まとわぬ姿の住職サマ……。

直後激しくがぶつかる音と女性の悲鳴が響いたのは言うまでもない。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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