白蓮「まったく貴方という人は……ガミガミ」

……怒られた。こんな遅い時間まで起きていた事(白蓮が風呂場に着いた時は既に日付をまたいで久しい時間だったらしい。さすがに誰もいないと思ったら俺がいたので驚いていたようだ)、風呂場で暴れた事、もちろん俺が白蓮をものすごい勢いで押し倒してしまった事も十分怒られる要因だ。どれもこれも俺だけの落ち度ではないが、怒られても仕方がないくらい色々やらかしていることは事実である。横では白い生命体もしゅんとうなだれているように見える。

貴方「この白い生命体が汚れていたんで一緒にお風呂に入ろうとしたんですよ」

言い訳をするつもりではないが、この事だけは伝えなければいけない気がした。それを聴いた白蓮はフウと一息ついて、額に手を当てて天井を仰いだ。

白蓮「そりゃあ嫌がられますよ。貴方はペットのような扱いをしたのかもしれませんが、その子、人の心を持っています」

思わず口から漏れ出た驚きの声。そう、白蓮はこのおおよそ人間には見えないこの生命体の事を人間の幽霊だというのだ。原形全然とどめてないぞ……。

白蓮「いいですか、色々とその子について調べてみたのですが、大変なことが分かりました。その子は確かに霊魂の類なのですが……その中でもちょっと特殊な『半霊』と呼ばれるタイプです」

開かれた本を指差して俺に見せてくれた。なるほど、この半霊と呼ばれた幽霊が人間の周りを飛んでいる絵がある。白蓮曰く「半人半霊」と呼ばれる種族であり、人の体と幽霊の体を両方持っているのが特徴であるようだ。両方そろった状態が正常なのであり、半霊単体がこんなところにいること自体が異常事態なのだという。

貴方「つまり持ち主が困っているってこと?」

白蓮「……でしょうねぇ。どうやら迷子になってしまったようです。半霊もその持ち主の体の一部なので迷子になるなんてちょっと考えにくいのですが……」

考えにくいとはいえ、目の前でこのようなことが起きている。確かに半霊を放っておくとキョロキョロと誰かを探しているようなそぶりを見せる。そんな半霊をやさしく抱きしめてみると大人しくこちらに身をゆだねてくる。なんだか可愛い……。そしてひんやりとしていて気持ちがいい。

白蓮「とにかく私が調べられたのはここまでです。あとは霊のことなら冥界に赴いたほうがよく分かるでしょう。明日になったらそちらに向かってみてはどうでしょうか?」

俺は翌朝、朝食を済ませ次第その冥界とやらに向かうことにした。今すぐ飛び出そうとしたら夜は危険だとか貴方も疲れているでしょうと心配されて止められてしまったのだ。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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