翌朝……。幻想郷の空はどんよりと曇っていた。いきなり気分が削がれるが、でも行かなくてはならない。迷子の半霊の為にも俺が一肌脱がなければならないのだ。

冥界への行き方ならあらかじめ白蓮に聞いてある。まずはひたすら高度を上げ、そして巨大な門を目指せとのことだった。かつては現世と冥界を厳重に隔てていたらしいが、今はそれも曖昧であり空さえ飛べれば比較的簡単に向こう側へ行くことができるのだという。

俺は今アールバイパーのコクピットの中にいる。にとりによる最終調整が終わり、まさに発進する時なのだ。外では半霊が待機している。

にとり「よしっ、こっちの準備は終わったよ!」

命蓮寺に何故か河童。かつて勝手に乗り回したアールバイパーで寺に大穴を開けてからの縁であり、ここでアールバイパーの整備を行ったりしているのだ。

さて、ゆっくりと我が銀翼が向きを変える。目の前に広がるのはトンネルのような形をした滑走路、そしてその先は命蓮寺の外側。

ピカピカとバイパー内の計器類がせわしなく動いたり点滅したり。徐々に大きくなるジェットエンジンの音……。

滑走路に緑色のランプが灯る。出撃の時が来た!

貴方「アールバイパー発進……! Let's rock'n roll!!」

軽くつぶやいた直後、俺の体に強烈なGがかかる。滑走で光る点は次第に線となる。俺は光に、翼になるっ……!

かくして俺は迷子の半霊を救うべく、銀翼を駆って鉛色の空へと一直線に飛ぶのであった……



銀翼と妖怪寺SSIIに続く……

あとがき

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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