命蓮寺を飛び出し、ひたすらに高度を上げていく。アールバイパーの操縦にも慣れてきたようであり、今では自らの手足のように自由に動かせる。……たまにバランス崩すけど。

そのバイパーの後ろを健気についていくのが半霊である。本当は中に入れようとしたのだが、なにせあの形状なので、上手く座席に座らせることが出来なかったのだ。

それにしてもこれだけ目立つと珍しいもの好きな妖精が寄ってくる。ぶつかってはまずいので錐揉み回転しつつ間を縫って飛ぶ。……って、待て! 今弾を放った奴がいたぞ。

妖怪どころか妖精にまで弾を撃たれるとは……。幸い弾幕と呼べるほどのものでもなかったのでスピードを上げてスルーすることにした。

そうしているとかなり高度があがっているのがわかる気がする。眼下に広がる地上の風景もまるでジオラマのように小さく見えている。

そしてそれは俺が鉛色の雲に近づきつつあるということも意味する。

うむ、さすがに暗くなってくるな……。早く雲の上に上がりたい。だが、どんどん周囲は暗くなる一方だ。周囲が見えなくなるほどの……、って待て! いくら悪天候だからとはいえ真昼間に周囲が見えなくなるほど真っ暗になるだなんてありえないだろう。まるで夜の空と間違えるほど周囲は暗黒に包まれているのだ。

雲のせいじゃない。これは誰かが人為的に暗くしているんだ。でも誰が何の為に??




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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