???「……のかー。……のかー」

不意に少女の声が聞こえた気がする。暗闇でほとんど見えない中、ボウっと浮かび上がったのは黒い服を着た金髪の小さな女の子であった。頭にかわいらしい赤いリボンをつけているのも特徴的。

その少女があどけない表情でアールバイパーの目の前でフワフワと浮遊しているのだ。何故か両手を横に大きく広げている。誰なのか知らないが、ただの人間でないことは明らか。まさかこの暗黒空間を生み出している張本人……?

???「お腹すいたなー。私ルーミア。今とってもお腹すいてるの」

ルーミアと名乗った幼い少女は不意に空腹を訴えてくる。お腹に両手を当てて小声で「くーくー」と言いながら。可愛らしい仕草に思わず笑みがこぼれる。……彼女がただの小さな女の子ではないということも忘れて。

貴方「悪いけれど食べ物は持っていないんだ。ゴメンね」

これまた可愛らしく「えー!」とブーイングする少女。だが、彼女はあきらめない。

ルーミア「ううん。銀色の鳥さん、食べ物持ってるでしょ? お腹すいたな、鳥さんの持ってる人間、食べさせて」

いや、食べ物を隠し持ってなんか……え? 今なんて言った? 聞き間違いでなければ「人間食べさせて」と言っていたはず。あどけない顔のまま。

思わず全身に鳥肌が立つ。そうだ、妖怪だらけの寺で寝泊まりしていたからすっかり危機感覚がマヒしていたが、この幻想郷の妖怪の中には、当然人間の肉を主食とするタイプだって存在するはずだ。それにあのルーミアという妖怪、周囲を真っ暗闇にするというなんともスケールの大きい能力を持っているらしい。

ルーミア「久しぶりの食べてもいい人間。ごちそう、ごちそう頂戴!」

スペルカードを掲げ、アールバイパーに宣戦布告してきた常闇妖怪。俺は思わずアールバイパーを鳥の妖怪だと勘違いされていることにツッコミを入れる余裕もなく、応戦を余儀なくされるのであった。

この勝負、負けたら喰い殺される……。なんとしても勝利しなくては!




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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