ルーミアに弾幕勝負を仕掛けられた俺であったが、周囲は暗闇のまま。すぐにルーミアを見失ってしまった。
しかしこちらは最新鋭戦闘機。たとえ標的が目視できなかったとしてもレーダーでエネルギー反応を調べれば筒抜けなのだ。ルーミアよ、相手が悪かったな。余裕をかましてレーダーに目をやる。
あ、あれ……? おかしい、そこら中で反応が出ている。故障したのか? これではルーミアがどこに隠れているのかわからない。いや、この暗闇のフィールド全体がルーミアそのものだというのか? どの道頭は弱そうだが、かなり強力な妖怪であることは確か。
不意にレーダーに歪みが発生する。その歪みがまっすぐにこちらに向かっていた。幸いあまり速いものではなかったので、容易に避けることができた。
しかしこれはルーミア側からはこちらの場所が丸わかりであることも意味していた。どの方向から仕掛けられるのかも分からないうちに延々と弾幕にさらされるのだ。これではじり貧である。
貴方「レーザー装備……」
少しでも明るいものということで光学兵器に切り替える。機械的なシステムボイスが装備した武装名を復唱した。が、どこに狙いを定めればわからない。
と、久々に機械的なボイスがバイパーの中に響いた。
システムボイス「You got a new weapon!」
ディスプレイを確認すると大声を出す響子の姿が一瞬見えた。次の瞬間には青いイカリングのような輪っか型レーザーを発射するアールバイパーの姿に変わった。そして刻まれた武装の名前は……「RIPPLE LASER」。
来た、リップルレーザーだ。若干の火力不足感は否めないものの、リップル(波紋)の名の通り距離が進むほどわっかの広がる使い勝手のいいレーザーであった。その火力不足は連射で補える。
また、レーザーの名前を冠していながら、実はダブル系の兵装であることにも気をつけなければならない。つまりこの戦いで上書きされた兵装はノーマルレーザーではなくてショットガンのほう。もっともこんな暗闇の中では役に立たない兵装なのでどうでもいいのだが。
よし、攻撃範囲を広めれば少しくらいはかするかもしれない。淡い希望を抱きつつ発射。
……駄目だ、全然手ごたえがない。リップルレーザーによって一瞬だけ周囲が明るくなるものの、しっかりと索敵できるレベルとは程遠い。うわっ、今少し敵の弾幕にかすった。的にされないように動き回りながらレーダーの歪みの出所めがけて攻撃を続ける。
相変わらずの手応えのなさに俺は暗闇という名の大きな掌の上で右往左往している錯覚さえ覚えた。
また攻撃が来る。これも避けて……っ!? なんて弾速だ! まずい、喰らう……
操縦桿を限界まで倒し、フルスピードで回避行動をとる……。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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