とっさにとった回避行動の結果、どうにか直撃は免れた。だが、急な移動と直撃は免れたとはいえ被弾した機体に襲った衝撃はすさまじいもので、俺はアールバイパーの中で激しく揺られていた。
貴方「あっ、半霊……」
自らを襲う衝撃が和らいだ頃、大変なことに気が付く。迂闊だった。自らの安全を最優先するあまり、半霊を置いてきてしまったのだ。この暗闇の中で迷子になったらいよいよ再会できなくなってしまう。
だが、その心配はなかった。真白い霊体はこの暗闇の中でもわずかに発光しており、場所がわかりやすい。すぐにそばに行ってあげて……
いや、またルーミアの攻撃だ。来る弾幕に備え、回避の体勢を取る。
だが、弾幕は見当はずれの方向へ飛んで行った。それは半霊。自らに矛先が向けられていることを察知した真白い霊体はビクンと体を震わせて、とっさにそれらを回避していく。アールバイパーなんかよりもずっと無駄な動きのないスマートな身のこなしであった。
攻撃が止んだのを見計らい俺は半霊に近づく。もう危害を加えさせたりはしない!
近づくと半霊が心なしか怒っているように見える。半霊から見れば自分を見捨てて一人で逃げたようなものだ。怒り心頭なのは仕方ない。いや、怒りの矛先は俺に向いているようには見えない。俺ではなくて外側に向けて怒りを露わにしている(ように見える。半霊に顔などないからどっちを向いているのかなんて本当はわからないのだ)。
となると、いきなり攻撃を仕掛けたルーミアに向けての感情……?
貴方「半霊……、お前も戦ってくれるのか?」
そこに言葉はなかった。ただ、半霊は常闇妖怪を探すべく、まっすぐに飛び出していった。それが半霊の下した答えであったのだ。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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