思えば半霊を追従させていたときはアールバイパーに攻撃が向けられ、離れてからはバイパーではなくて標的は半霊であった。
となるとルーミアが標的にしていたのは最初から半霊……?
いや、その線はないだろう。彼女は人食い妖怪。弾幕ごっこを始める前に俺を食べてやるみたいなことを言っていた。それなら俺を狙ったほうがいいに決まっている。だが、彼女は半霊に執拗に攻撃を続けていた。これはどういうことなのか?
貴方「違う、半霊に攻撃『せざるを得なかった』んだ!」
実は暗闇の中ではルーミアも前が見えておらず、暗闇の中で光を発する半霊めがけて攻撃していただけなのでは? 確かに半霊はアールバイパーの傍を飛んでいたので目印にしていたとも考えられる。
だとしたらこのルーミアという妖怪、強大な能力を持っていながら、その能力をまともに使えていないということになる。あるいは極端に頭が弱いか。
俺がそう思考を巡らせているうちに半霊はルーミアを発見、その周囲にまとわりついていた。
ルーミア「うわわ、動けないよ!」
半霊がまとわりつくことにより、ルーミアの居場所が丸わかりになり、さらに動きまで鈍くさせてしまったようだ。こうなってしまえばあとは攻撃を仕掛けるのみ。
貴方「俺が喰われるのは御免だ。代わりにレーザーをたらふく喰らえっ!」
兵装をリップルからレーザーに換装しつつ俺はネメシス人形を呼び出した。ネメシスと共にレーザーを発射する。二本の光の槍は一直線に暗闇の中を突き進み、そして瞬く間にルーミアを貫いた。被弾の衝撃でよろけている。よし、効いているぞ。このまま一気に畳み掛けるっ!
貴方「もっとコッテリしたものが喰いたいか? いいだろう。操術『オプションシュート』!」
さらにトドメと言わんばかりにネメシスの蓄えていた魔力を一気に解放、オレンジ色の火の玉と化したネメシスはあふれ出る魔力の赴くまま、ルーミアに執拗な体当たり攻撃を仕掛ける。連続の攻撃でもはやグロッキーな状態。そのまま魔力大爆発を行いフィニッシュに持ち込む。もう勝負は決しただろう。
爆風が晴れると半霊とネメシスに纏わりつかれて満身創痍のルーミアがいた。彼女が力なく尋ねる。
ルーミア「た、ただの変な鳥の妖怪じゃないようね。あなたは一体……」
貴方「変な鳥の妖怪じゃない。超時空戦闘機『アールバイパー』だ」
ルーミア「そうだったのか~~っ!」
直後凄まじい爆発を起こし、暗闇は晴れた。彼女は最後の最後まで両手を広げていた。あのポーズは何かポリシーでもあるのだろうか。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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