(貴方が白玉楼にたどり着くその少し前の幻想郷某所……)

水色の髪の毛をした少女が紫色の大きな傘と、どこからか調達した釣竿を手にニンマリと笑っていた。

彼女こそ唐笠お化けの「多々良小傘」である。今日も人を驚かせるための準備をしているところのようだ。といってもその驚かし方はこれまた古典的なコンニャクを釣竿に括り付けてってやつなのだが。コンニャクをセットしながらにんまりと笑みを浮かべている。もう上手くいっている様を想像しているようだ。

人通りの少ない場所に陣取って柳の木の裏に隠れる。周囲は薄暗いのでこんな昼間でもそれなりに効果はあるだろう。固唾を飲む小傘、標的は近い。慎重に釣竿を動かし始める。

小傘「(今だっ!)うらめしやー!」

しかし、ゆらりと釣竿を操ってこんにゃくを素肌にピタリとくっつければいいものの、何を考えたのか、コンニャクを持った釣竿を持ちながら本人が飛び出してしまった。標的となった人間はポカンとしながらこのいろいろな意味でかわいそうなオッドアイの少女を見ている。

小傘「ああっ、間違えてわちきまで出てきてしまった!」

ここでキャラ作っても多分意味ないぞ、小傘。驚かすどころかケラケラと笑われてしまい、顔を真っ赤にしながらすごすごと柳の裏へ戻る。

小傘「こ、今度こそ……」

再び釣竿を構えてコンニャクをセットするが、その後も何度やってもどうしてもうまくいかない。コンニャク作戦が上手くいかないと悟ったのか、懐からものすごい形相の鬼のお面を取り出す。

小傘「こんどはコレで……」

木陰で標的を待つこと十数分……

小傘「(来たっ……! お、落ち着くのよ小傘! 今は鬼の顔なんだからきっと驚かせる……。リラックスリラックス……。いつもの通りにやれば上手くいくから……)」

意を決して大きな目玉と舌のついた傘を振りかざして飛び出す。

小傘「おーどろけー!!」




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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