オレンジ色の光の玉となったネメシスは蛇行しながら幽々子めがけて突進する。周囲の弾幕も吹き飛ばすパワフルさ。普段ならば勝利を確信できるスペルなのだが、今回は訳が違う。幽々子にこの攻撃を読まれていたのだ。

まるで舞い落ちる桜の花びらが自らを掴む腕から逃げるが如く、スイッスイッと無駄のない動きでネメシスの突進を回避していく。そしてネメシスが残りの魔力を両腕に溜めこみ、フィニッシュの準備に入っている。

幽々子「まあ大きい♪」

折角の必殺の一撃もこんな言われようである。ネメシスに蓄えられたあらん限りの魔力を投げだして爆発させるも、この亡霊少女は涼しい顔しながら扇子を仰いでいた。

幽々子「荒々しい花火ね。ところで……、この子どうなるのかしら? ふふっ、可愛いお人形さん♪」

魔力を使いきって自ら動く術を失ったネメシスの手が幽々子に握られる。いつもならこの技を喰らわせた相手は例外なく倒されていたので安全にネメシスを回収する事が出来た。が、今のお手製上海人形はよりによって幽々子の手の中にいるのだ。これでは回収しようにも回収できない!

貴方「かっ……返せっ!」

何度も死にそうな思いをしてようやく手にした俺だけの人形。何度も奪われそうになりつつも知恵と勇気(……というよりかは運と蛮勇)で取り戻したオプションへのヒント。何度も試行錯誤して編み出した俺だけのオプション使役術、そして必殺技「オプションシュート」……。そんな俺の苦労の結晶が今や敵の手中にある。もう失いたくない……。俺は必死に喘ぎ、取り戻そうと幽々子への接近を試みる。

幽々子「こっちよー♪」

あんなデカい扇子型のオーラを纏っているにもかかわらず、素早い動きでアールバイパーを翻弄してくる。更に弾幕まで放ち続けているのだから凶悪極まりない。不意に迫る蝶弾を避けるべく錐揉み回転しつつ前進する……が、進行方向が複数の弾幕によって閉ざされてしまった。マズイ、突っ込む……!

直後、アールバイパーに襲った衝撃。あんなヒラヒラしていた弾なのに喰らうとここまで重たい一撃とは……。今の衝撃でエンジンが停止してしまう。やむなく西行妖の根元に不時着する。

幽々子「紫から○○君の手の内は知らされているんだもの。それにスペルカードを発動する前の挙動でコレが来ることは簡単に読めたわ。それに……その技だって仕留め損なったらこうなる事だってちょっと考えれば分かる筈よ?」

ネメシスの腕をプラプラさせて余裕の面持ちの亡霊少女。何とか人形を取り戻さないと……。
だが、アールバイパーのエンジンがなかなか復活しない。くっ、どうすれば……!




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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