⇒驚愕する
白玉楼はかなり大きなお屋敷であり、その大きさは命蓮寺にも匹敵することが分かる。そして通された広間に向かうと既にこのようになることを予見したかのように多くの料理が並べられていた。
貴方「宴会……?」
幽々子「いいえ、違うわ。ほとんどが私の分。もちろん貴方にも分けてあげるわ。さあ、うちの幽霊料理人達が腕によりをかけて作った料理よ。たんとおあがりになって♪」
いやほとんど幽々子一人分って……。ちょっとした宴会ならすぐに開けそうなほどの食べ物の量が食卓に並んでいるぞ。とても二人で完食出来るものではない。まあこれだけ大きなお屋敷なんだ。幽霊の料理人を雇っているというくらいなので、他にも使用人とかが沢山いてここで食事を取っているのだろうと考えたいが、そうではないと幽々子は断言するし……。
まあいいや。折角の御馳走なのでいただこう。一口パクリといく。……んまい。そしてかなりあっさりとした味付けだ。なるほど、これなら沢山食べることができそうだ。特にこのお吸い物なんて薄味ながら喉の奥で絶妙なハーモニーを奏でているではないか。
幽々子「お吸い物が気に入ったのかしら? それは夜雀という妖怪の出汁が沢山出ているのよ♪」
鳥ガラスープ……? というか食事を始めてまだいくらも時間が経っていないのに、幽々子周辺の食べ物がほとんどなくなっている。この時間であれだけ平らげてしまったのか? 彼女の胃袋はブラックホールか何かなのだろうか?
幽々子「ん~、おいしー♪ おかわりっ!」
別にガツガツと下品に食物を口の中に流し込むというわけではないのに(むしろ見とれる程、上品に食事をとっている)、脅威的な速度で食べ物が減っていく。なるほど、これだけの量でほとんど自分用だと言うのは理解した。
(青年&亡霊少女食事中……)
結局あれだけあった料理の山は全て俺達の胃袋に入ってしまった。もちろんそのほとんどが幽々子の胃袋の中なのだが。こちらの食事が終わると待ちかまえていたように幽霊の使用人達が食器を下げていく。今度はお茶やお団子を出され、二人でズズとお茶をすすっている。
幽々子「やっぱり甘いものは別腹よねー♪」
コロコロと笑いを浮かべながら食後の甘味を美味しく頂く大食い亡霊。あれだけ食べておいて別腹とはよく言ったものだ。だが、実際に美味しいのだから俺ももくもくと喰らっている。
貴方「あれだけごちそうになった上に……、ハッ! まさか俺を太らせて食べる気じゃ……」
幽々子「それも悪くないわね……って、冗談よ~♪ そんな怖い顔しないで頂戴な。私も亡霊になる前は人間だったのよ? 人間を食べる筈がないじゃない。ところで……」
一通りジョークをかますとようやく本題に話題を移そうとする。今までのほんわかした表情からは予想できないほど神妙な面持ちになっていた。俺も姿勢をただし傍に半霊を座らせ話を聞く体勢を取った。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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