俺が呼びかけ終わるか終らないかという頃、ビッグコアはその薄っぺらい体をギュルンギュルンと高速回転させた。衝撃をまともに喰らい、慧音が弾き飛ばされる。

慧音「かはっ……!」

腕のないアールバイパーは吹っ飛ばされた彼女を救う術を持ち合わせていなかった。他の幻想郷の少女のように生身で空を飛べれば抱き抱えながら受け止めることも出来たのにと自責の念に駆られる。重力の赴くままに慧音はそのまま地面に叩き付けられ、小さくうめき声をあげた。

更に悪いことにビッグコアの攻撃はこれだけでは済まなかった。錐揉み回転は未だ止まらず、そのまま俺めがけて突進を始めたのだ。スピードを最大にまで上げて回避行動をとる。間に合うかっ……?

間一髪のところで直撃を免れる。すぐさま振り向いて反撃の準備に出る。

貴方「どうしてお前が幻想郷にいるのか、どうして俺たちを襲うのかわからないが、考察は後だ。お前……撃ち抜く!」

突然の敵に戸惑っておりイマイチ本気を出せないでいたが、慧音が負傷したことで目が覚めた。俺はネメシスを呼び出し自分の後についていくようにと命じる。

貴方「ネメシス、トレースオプションの構えだ!」

オレンジ色の魔力のオーラをまとったお手製上海人形はアールバイパーのすぐ後ろを一生懸命ついていき、援護射撃を行う。なんとその後ろでは半霊までもが後をつけていた。さすがに援護射撃はしてくれなかったが。

ビッグコアのビームが再び放たれる。相変わらずの素早さだが、単調さも相も変わらずだ。俺はそれを再び避けるが、ネメシスは光学兵器にさらされる。だが、それでいい。今のネメシスはあらゆる攻撃を受けない。よし、そろそろ反撃だ。ネメシスから放たれる細長い青いレーザー。それがビッグコアの遮蔽版に命中し、それを砕いた。

貴方「まだ終わりじゃないぜ!」

回避したその足で今度はビッグコアの斜め上に陣取る。さて、スプレッドボムをお見舞いしてやるか。いくらビッグコアの装甲が分厚くともスプレッドボムの爆風は貫通してしまうのだ。これで2枚目、3枚目と遮蔽板を破壊していく。

ゆらりとアールバイパーに狙いを定めるべく動き始める巨体。しかし、あまりに遅すぎる! 今度は低空飛行し、ネメシスに遮蔽板を破壊させる。よし、これでお前を守っていた板は全部壊したぞ。あとはそのコアを撃ち抜けば……。

慧音「うう……」

体当たりを受けてうめきながら気を失っていた先生が目を覚ます。と、慧音は何かに気がついたようだ。

慧音「このバケモノを覆っていた結界が消えている……? よし、今なら!」

真横で起き上がった先生は真横からコアめがけて頭突きを喰らわす。急な衝撃にバランスを崩したビッグコアはそのまま地面に倒れ込んだ。コアが赤く変色しており、今の攻撃がかなりのダメージになっていた事が分かる。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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