先程は横から攻撃しても結界によってビクともしなかったが、今は悶えているようにさえ見える。そうか、遮蔽板を失った事と関係するのかもしれない。遮蔽板を失うと結界の効力が無くなり横からもダメージを与えられるとか?
ともかく再び起き上がったこの巨大戦艦にトドメをさすべく、俺は少し背後に引く。逃げる? いや、俺の後をついて行くネメシスを誘導するためだ。アールバイパー本体とネメシスから同時にレーザーを照射する。それは一直線にコアに直撃し、それを打ち砕いた。
貴方「やった!」
するとあれだけ堅牢だった装甲が音を立てて崩れていく。そして大爆発。カラクリが分かれば大した相手ではなかったな。
物陰に隠れて震えていた小傘がようやく顔を出す。
小傘「もう出てこない?」
人里は危険だから離れるようにと小傘に一言。彼女はダッと空に飛びあがり、またたく間に消えていった。
慧音「なあ、○○はさっきのバケモノについて知っていたのか?」
貴方「いや……。アレが何者でどう戦えばいいかは知っていたが、どうして幻想郷に姿を現したのかは分からない。信じたくはないが外界で忘れ去られてしまったのだろうか?」
俺は慧音に分かる限りの事を話した。
今の巨大戦艦は昔のとある名作横STGのボスキャラだった。今俺が乗っているアールバイパーの大元となった超時空戦闘機の出てくる作品でもある。いくら「横STG御三家」の1つとして称えられている作品だったとしても、外界ではSTG人気は既に下火になって久しい。
多くの人に忘れられて幻想郷に迷い込んだと解釈する事も出来る。現にこのアールバイパーも本来はそうやって人々に忘れ去られた結果、幻想郷に辿り着いたのだから。
だが、不可解な点もある。ビッグコアの側面が結界に守られていると言う事。そんな話原作では聞いたことがない。これはどういうことなのだろうか……。
慧音「それでは今のは君の乗っているアールバイパーと同じ……。いや、でもまるで生気というものを感じなかった。……ううむ。分からないことだらけだが、今は本来の目的を達成しよう」
そうだ。今は辻斬りとなってしまった妖夢を止めることが最優先事項。再び振り出しに戻ってしまったが、少しずつ探していかないとならない。
と、また物陰から人が飛び出してくる。今度こそと銃口を向けるが……
自警団「お、俺だ! 撃つんじゃない!」
妹紅と行動していた筈の自警団のメンバーではないか。至る所傷だらけで命からがら逃げてきた事が容易に分かる。
慧音「その怪我は……?」
自警団「例の辻斬りを見つけたんスが……、化け物じみた強さで我々は全滅。一人残った妹紅の姐さんがサシでやり合っているけれど……」
気を失いかける自警団を抱きかかえ、どっちで見たのかと問う先生。男は力なくその方向を指差すと今度はパタリと倒れてしまった。
慧音「もういい、喋るな。少し休んでいるがいい。これだけの人数が皆やられるとは……。妹紅、無事でいてくれ!」
俺も妹紅の援護をするべく、先制の後に続き高速で飛行した。
銀翼と妖怪寺SS Vに続く……
あとがき
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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