立ち込める砂埃とくすぶる炎の中心にいたのは見事な長い白髪を持った少女であった。白いシャツに赤いもんぺ姿と霊夢のように赤と白が眩しい出で立ちである。その彼女が少しかったるそうに片手をあげて皆に挨拶する。
???「うぃーっす」
慧音「『うぃーっす』じゃないだろう! 大遅刻だぞ、妹紅!」
叱責する慧音を無視して自警団に同じように挨拶をする妹紅と呼ばれた少女。この大男たちはこの少女相手に随分とヘコヘコしていた。
自警団A「妹紅さん、チーッス! 早いところ始めましょうや」
自警団B「辻斬りだか何だか知りませんが、サクっとシメてまた伝説作ってくださいよ!」
まるで一昔前のスケバンとその取り巻きである。遠巻きに見て苦笑する先生の表情は何とも言えない。だが、気を取り直して毅然とした表情で俺達に呼び掛ける。
慧音「さて……。わざわざ妹紅や命蓮寺の銀翼『アールバイパー』を呼び出したのは皆も知っての通りだ。人里に現れた辻斬りの確保。出現が確認されてからの時間と被害に遭った者の数から考えてただの人間でないことは確実なんだ。これより作戦を説明する」
真剣な面持ちの慧音を確認するとスケバン……いや妹紅も表情を引き締める。もちろん俺もだ。先生によるブリーフィングを要約すると、聖白蓮があらかじめ里に入り懸命な救助活動を行っている為に里に残った人間は心配ないだろうが、万一はぐれたものを見つけたら救助するという事、そして効率よく任務を遂行するために二手に分かれるとのことの2件が主であった。
慧音「大体はそんな所だ。妹紅は自警団を率いて東側から、私は○○と西側から捜索に入る。どうやら辻斬りからは人ならざる気配を感じるのは先程も話した通りだ。一人だからといって油断しないように」
あまり統率されてはいなかったが、バラバラに「ウッス!」と応えやる気を見せる自警団達は妹紅に率いられながら里へと向かう。それを確認すると今度は俺と慧音が反対側から探索を始める……
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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