貴方「見つけたぞ! 長い刀を振りまわして人里を恐怖に陥れた不埒な辻斬りめっ!」

???「ぴゃっ!? ……ど、どひゃあ! 変な鳥の化け物~!」

人影はヘンテコな悲鳴を上げると尻もちをついた。なんだ、あまりに呆気なさすぎるぞ。

いや、コイツよく見ると辻斬りでも何でもない。確かに小柄な少女ではあったが、長い得物だと思っていたのは刀ではなく紫色の傘。大きな舌と一つの目玉を持った奇妙な傘。今にも涙が零れ落ちそうな両目はそれぞれ色が違う。オッドアイと呼ばれるものだったのだ。というかコイツって確か……

思い出した。命蓮寺によく遊びに来る「唐傘お化け」と呼ばれる人を驚かせることを生きがいとする妖怪じゃないか。確かこのオッドアイの少女は「多々良小傘」とかいう名前だった。白蓮も「この子は危険がないから」と言っていたので俺も一緒に遊んでいたな……。さしずめ人里で人間を驚かせようとしたら、辻斬りに出くわしてしまって逃げ惑っていた途中だったのだろう。

慧音「辻斬りがこの先にいるのか?」

小傘「ツジギリ……? そ、そんなレベルじゃないよぉ。もっとビッグでコワい正真正銘のバケモノがいるんだ」

その後もうわ言のように何かを口にしていたが、慧音が落ちつくようにと諭しながら抱き締めると静かになった。俺は今も来る敵に備えて身構える。

程なくして巨大な影がぬっと姿を現す。人里に建つ小さな建物と同じくらいの大きさ。確かに辻斬りなんかよりもずっとデカい。が、その影が近づくにつれて俺も驚愕せざるを得なくなってくるのだ!



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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