赤の、青の、色とりどりの光がアールバイパーの背後を通り過ぎていく。少し遅れてこちらをスポットライトで照らしていたバニシングコアが大量に展開していたミサイルを一気にこちらに向けて発射し始めた。

この一撃で雌雄を決する。本命がいるんだ、お前にそこまで時間はかけられない。その思いを胸に俺は操縦桿を強く握りしめる。銀翼は薄闇の中で色とりどりの弾幕の星が瞬く幻想の宇宙空間を飛翔し始めた。バイパーに搭載されたAIが機械的に、そして事務的にこちらを鼓舞してくる。

システムボイス「Destroy them all!」

白煙を上げて迫るミサイルは二人がかりの弾幕に阻まれ途中で爆破されていく。対するバニシングコアもライトを一瞬たりとも外さず、次から次へとミサイルを乱射してくる。3人を相手しているだけあって、向こうも必死の抵抗を見せているのだろう。

1発の弾がミサイルにかする。ミサイルは着弾後に爆発せず、弾道を狂わせつつアールバイパーのすぐ横をかすめ飛んだ後、爆発を起こした。ヒヤリと嫌な汗が一筋垂れる。いかんいかん、こんなことでビビっては駄目だ! 俺はさらに標的へと接近する。

コア、つまり鈴仙を閉じ込めている遮蔽版をバイパーの射程圏内に捉えた! 奴の遮蔽版を取り除かないとコアにまで届かない(遮蔽版は一種の結界を張っており、これが残っている限り、一見脆弱に見える横部分からの衝撃を無効化してしまうのだ。詳しくは「銀翼と妖怪寺SSIV」にて)。遮蔽版は複数が連なっている。ここは貫通性能を持った兵装で一気に片付けよう。

貴方「リフレックスリング!」

右回転をさせたディスク状のショットを撃ち出す。ガリガリと遮蔽版を削っていく。リングが戻る頃には遮蔽版を破壊出来ていた。もう1発、今度は鈴仙を救うために逆回転させたリングを撃ち込めばいい。狙いを定め、もう1発を発射しようとする。

輝夜「○○っ、1発撃ち漏らしたわ! そっちに向かってる」

声に反応し、周囲を見渡す。程なくして1発のミサイルを発見。すぐさまこちらもスプレッドボムを爆破させ迎撃。この場にとどまるのは危険と判断し、このままバニシングコアの周囲を1回転したのち、攻撃を加えることにした。一度巨大戦艦から離脱する銀翼。しかしその巨体を視界から逸らすことはしなかった。

逃げる者に追い打ちをかけるべくミサイルでの追撃が来た。背後から追われる形となっており、戦闘機としてはかなり分が悪い状況。仕方がない。奥の手を使わせてもらう。

貴方「銀星『レイディアント・スターソード』!」

懐から良質な紙で出来たスペルカードを取り出す。それと同時にアールバイパーの速度を限界まで落とした。機体左右斜め後ろに1対形作られるのはアールバイパーよりもずっと大きな青い刃。左右同時に振りかざし、追ってくる脅威を斬り落とした。

振りかざす直後に再び加速。爆発を免れたものの、その軌道を大きく狂わせたミサイルが発射主、つまりバニシングコアの側面へ飛ぶ。そして側面に着弾、爆発。思わぬ衝撃にバニシングコアが激しく揺れ動く。デタラメな色をしたスポットライトが無秩序に暴れまわる。恐らくパニック状態に陥っているのだろう。

そして体勢が整わないうちに発射されるミサイル。それは銀翼や少女達でなく、永遠亭の柱に向かって発射された。思わぬ標的に誰も対応できない。もちろん柱も攻撃を避けたり迎撃したりなどはしない。

突如衝撃が振動となり周囲が揺れる。続けて床や天井に炸裂。パラパラと天井が剥がれ始めた。これは……本格的に天井が落ちてくる。

貴方「迎撃はもういい! 天井が崩れる。安全な場所へ避難してくれ!」




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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