持ち前の機動力で一直線ではなく、ジグザグに少しずつ接近する。対する永琳は弓を番えてエネルギー弾をこちらに狙って撃ち込むのだが、速いだけでただ直進するだけの弾なので、簡単に対処できた。
永琳「は、速い……」
ついに標的を真正面に捉えた。ロックオンサイトから永琳が外れないことを確認するとネメシスとコンパクを展開し、習得したばかりの対空ミサイルをお見舞いする。
貴方「フライングトーピード!」
音もなく浮遊したミサイルが一度ぴたりと止まると、一直線に直進する。その数6発。弓を番えて迎撃を試みる永琳であったが、アールバイパーを放っておくわけにもいかず撃ち落とすのは難儀している様子だ。もちろん俺とてこれで攻撃の手を緩めるわけではない。さらに間合いを詰めて追撃を行うつもりだ。
今度は近距離からのリフレックスリング。一番ダメージの通る絶妙な間合いで放つことに成功した。再びこちらに矢を向けるが、縦横無尽に動き回るアールバイパーには追いつけていない。どうやら彼女は接近戦が不得手のようだ。ならばこのまま一気にケリをつける!
だが、そう簡単にはいかない。この状況を打開すべく永琳が掲げたのはスペルカード。
永琳「神符『天人の系譜』」
宣言と共にバイパーから距離を取り、弓からではなく直接レーザーを放つ。動きこそ遅かったが、ハニカム状に拡散していったのだ。目の前をレーザーが横切り俺は一度アールバイパーの速度を落とし突っ込まないようにした。
だが、それは彼女の思う壺であったのだ。これは素早い鳥を囲うためのケージ。もとよりレーザーで仕留めようだなんて考えていなかったようだ。アールバイパーから機動力を奪ったうえでの狙い澄ました一撃……。番えられた弓から素早いエネルギー弾がアールバイパーを貫く。
強烈な衝撃に悲鳴すら上がらない。文字通り貫通された銀翼はバランスを崩し落ちていく。今の一撃で動力が止まってしまったらしい。追い打ちをかけるように扇状にショットを放ち、アールバイパーの腹に穴をあけていく。
貴方「まずい、やられる……。誰か援護を……」
だが、周囲の戦況を見て愕然とした。鈴仙も輝夜も他のバクテリアン軍との戦闘で手一杯であるようなのだ。これでは援助は期待できない……
永琳「これでジ・エンドね」
今度はコクピットを狙い弓を引き絞る。操縦不能に陥ったアールバイパーに回避する術はない。これが撃ち抜かれるということは即ち俺があの凶弾の餌食となること。まず命は助からないだろう。目元は暗くてよく見えなかったがニヤリと笑みを浮かべているのはわかった。
そして放たれる。その電気の走った光が俺を破壊する……。
そして訪れる衝撃。終わった。何もかもが……。我が銀翼は圧倒的な衝撃を受けて吹き飛ばされて……吹き飛ばされる!? おかしい、あんな攻撃受けたらそんなことを認知する前に俺がお陀仏になっている筈。それではなぜ……?
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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