再び永琳は反射レーザーを撃つ。恐らく俺の動きを読んでいるものだろう。つまりあれを回避する事はほぼ不可能。ならば……

永琳「(次は一気に接近すると見たわ。反射の範囲外くらいの懐にね)」

やる事は1つ! 反射したレーザーがこちらに来ないうちにあらん限りの勢いで接近するのみ! 俺はアールバイパーの速度を最大に上げて一気に接近……しようとしてやめた。

貴方「(すぐに接近する癖は何とかしないとな。永琳だって接近戦が弱い事は露呈されているんだ。同じ手が2度通用するとは思えない)」

ではどうしようか。アールバイパーではないところから攻撃を加えるか。真っ先に思いついたのはオプションたち。オプションシュートやサイビット・サイファならコアにダメージを与えることもできるだろう。

……いや、駄目だ。あからさまにオプションを展開したら絶対に警戒される。一度攻撃らしいものをして、不発と思わせといて……くらい裏をかかないといけないだろう。ではどうすれば……?

白蓮「他に弾が出せるところと言えばアンカーですよねぇ」

貴方「アンカーが弾を出す!?」

それは初耳だ。リフレックスリングはムラサのアンカーの扱い方をヒントに得た兵装。もしかしたら弾も撃てるのかもしれない。イメージすれば為し得るかも分からないぞ。とにかく試さない事には何とも言えない。

貴方「リフレックスリング!」

言われたとおりに射出した。距離が遠過ぎて遮蔽板まで届かない。だが、あそこから弾が出れば……!

信じられない事が起きた。回転するリングが渦巻き状に弾幕を展開しているではないか。

白蓮「これはムラサの『ファントムシップハーバー』? 1つしかないけど」

聞くとムラサ船長はアンカーを撃ちながらそのアンカーからも弾幕を展開する事が出来たのだという。ではリフレックスリングをアンカーに置き換えて考えると、クルクル回転しているからその弾道も渦巻き状になるらしいと俺の中で結論づいた。

こいつはスペルカード級の発見だ! メモ帳にスペル名をサラサラと記入し、さっそく発動する。ムラサのような陽気な妖怪が教えてくれたスペル。少し趣向を凝らして……

貴方「名付けて……陽妖『リフレックスリング』!」

これで「ヨーヨー」と読むのだ。まるでヨーヨーのようなリフレックスリングの挙動とムラサ船長のような陽気な妖怪由来の兵装、そのダブルミーニングである。

反射レーザーが貫くは回転するリング。俺は痛くも痒くもない。そしてリングから放たれる弾幕で遮蔽板を削っていく。怯んだのか、アールバイパーを囲っていた極太レーザーが途切れた。

貴方「こうなればこっちのものだ! 出てこいっ、ネメシス、コンパク! フォーメーションオプションだ」

2つのオプションを左右に配置させる。剥き出しになったコアめがけて俺は怒声を上げる。

貴方「操術『サイビット・サイファ』!!」

光の弾丸となったネメシス達は弾幕もレーザーもお構いなしにコアめがけて突撃する。2つのコアを、そして永琳をこの巨体から追い出すことに成功。ビッグコアMk-IIIの装甲は音を立てて崩れた。

貴方「さあ、今度こそ切り札を潰したぞ! いい加減投降するんだ!!」

永琳「外装を破壊しただけで随分上機嫌になるのね。こんなのまた纏えばいいじゃない」

片手を掲げ合図を送ると再び永琳の周辺に機械の装甲が形成される。これではジリ貧だぞ……。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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