赤黒い光が鈍く光ると、再びバクテリアン戦艦の装甲を身に纏う永琳。今度は先ほどとは違う種類の巨大戦艦のようだ。

貴方「今度は『デルタトライ』かよ……」

こちらを追いかけてくるドラゴン型のレーザーやあらゆるものを貫通する剣型のレーザーを使いこなす強敵。

先程から強力なコアばかり呼び出してくる。そしてこのデルタトライを倒したところで、また別のコア系ボスを呼び出すに違いない。こんなのが続けばいずれ俺は潰されてしまうだろう。永琳を攻撃しても無駄だ。装甲を壊してもすぐ呼び戻され、永琳自身を倒そうとしても復活してしまう。そう、初めから俺は勝てない勝負を仕掛けていただけなのだ。

貴方「ならば最初から勝負などしない!」

そう、永琳に機械の装甲を与えているバクテリアンの親玉が何処かにいる筈なのだ。そして先程の赤黒い光でなんとなくそれを確信した。奴はすぐそばにいる。

貴方「永琳をいくら攻撃しても無駄だ。絶対に倒せない。彼女に力を与えている赤黒い眼球『ゼロスフォース』を打ち砕かない限りはな」

アールバイパーが向かう先は永琳の奥、不自然に未だに暗黒が支配する空間。そういえば永琳はその場所を守るかのように立ち回っているように感じる。

貴方「ツインレーザー!」

遠くまで届く兵装にチェンジし、奥に潜んでいるであろうゼロスフォースに攻撃を加えるが、一向に手ごたえを感じない。やはりバイパー自体があそこに行かなければならないのだろうが……。

迫る機雷を避けて、それをツインレーザーで破壊する。間髪いれずにうねるドラゴンレーザーをぎりぎりで回避するが反撃の機会は見られない。こんな調子では永琳の背後など取れる筈がない。どうにか弾幕を避けて安全そうな場所に躍り出た。だが直後、俺はその選択を酷く後悔することになる。

永琳「ライトニングソード!」

剣の柄のような形に変形していたデルタトライから青白い大口径レーザーが発射される。それをもろに受けてしまった俺はバランスを崩し、墜落させてしまう。バウンドする機体の中、俺は耐えがたい衝撃に両目を堅く閉ざす。

貴方「これ以上はマジでやばい……」

辛うじて飛行を続ける我が銀翼。だが、俺やバイパー以上に深刻だったのが白蓮。今の衝撃で閉じかけていた傷口が再び開いてしまったらしい。白いインナーを染める赤黒色が痛々しい。

追い打ちをかけるかのように赤色や青色の機雷がゆっくりとアールバイパーに忍び寄っている。

貴方「ちくしょう……。弱っちい自分が情けない……。俺も白蓮さんみたいに強力な弾幕ができれば……」

叶いもしない事が脳裏をよぎる。そんな夢みたいな事ある筈が……



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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