赤黒いグロテスクな顔。脳みそが剥き出しの頭部からは無数の血管が伸びておりそのグロテスクさにより一層拍車をかけている。俺はこいつを知っていた。大きな野望を持ってバクテリアン軍を使役するアイツだ……!
貴方「お前が本当の黒幕か『ゴーファー』!?」
我が名を知っているようだな。
いかにも、我こそ最強のバクテリアン特殊部隊を率いるゴーファーである
余程上機嫌なのか、常に笑い声が絶えない。
輝夜「貴方が永琳を、てゐを騙して弄んだ犯人……!?」
左様。この「幻想郷」と呼ばれる地を我らバクテリアンの要塞に変えるのだ!
そのために紛い物の小賢しい脳と、本物の月の頭脳を利用させてもらった。
思い通りに事が進んで実に気分がいい。
ハーッハッハッハ!
なおも得意げに豪語する巨大な顔。自らの魅力的な技術力を餌に永琳たちを騙していたのだ。初めからバクテリアンは幻想郷の住民に付け入り野望を達成させ易く利用していただけだったのである。今度は白蓮が突っかかる。
白蓮「幻想郷の……支配!? どうしてそんな馬鹿げた事を!」
簡単な話だ。
この地で生き抜くため、その為には貴様らが邪魔だからに他ならない。
……特にそこの超時空戦闘機!
貴様ら銀翼には何度辛酸を舐めさせられたか……。
だがそれも今終わった!
この永遠亭を足掛かりに幻想郷を頂く!
永琳を絡め取っていたパラサイトコアが天井の大穴から飛び立とうとしている。はるか上空に浮かぶ「ゼロス要塞」へと運ぶつもりなのだろう。
それにしても素晴らしい娘だ。
頭脳明晰な上に死してもたちどころに息を吹き返す蓬莱人。
この娘を取り込めば我らバクテリアンは
至高の頭脳、永遠の命、朽ち果てぬ体を得られる!
究極の軍団が完成するのだ……
永琳が連れ去られる……。俺は怒りに任せ、ゴーファーにショットを当てる。だが、ホログラムの類に攻撃しても無意味であり、空しくもショットは透き通ってしまう。今度はゴーファーの虚像を照らすバニシングコアの残骸にショットを当てた。
ライトの光がわずかにちらついたかと思うと、ザザザとノイズが走り、憎たらしい赤い顔も大きくゆがむ。
娘を、幻想郷を取り返したくば、はるか上空のゼロス要塞まで来るのだ。
丁重に、それはもう丁重にお持て成ししよう……
貴方「ふざけやがって……。そんな馬鹿デカい要塞など爆破させてやる! ゴーファー、首を……いや、頭の血管を洗って待っていろよ!!」
ゴーファーの姿は見えなくなっても不気味な笑い声だけが永遠亭に何度も響き渡っていた。早速アールバイパーに乗り込み、逃げたパラサイトコアを追跡しようとする。
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