(その頃、白蓮は……)

不意にスポットライトの光が失せた。上のフロアで○○がバニシングコアと戦闘を始めたからである。

すぐさま訪れる暗闇……いや、スポットライトの眩い光がない分、視力は暗所に慣れやすくなっている。今や薄暗いながらも周囲を確認できるようになっていた。

白蓮「○○さんも……必死に抗っているんです! 私だって……まだまだ!」

シックス・センスと言うべきか、貴方との長い付き合いによる勘と言うべきか、白蓮にはこの状況の変化は貴方が何か行動を起こしたからであると悟っていた。

はやる心を必死に抑え、神経を研ぎ澄ませ周囲の様子を探る。倒すべきは永琳と、先程ライトで照らされていた赤黒い眼球のような見た目のバクテリアンのみ。そして、白蓮は彼女の居場所を突き止めた。地面を蹴り、飛翔する。

白蓮「南、無、三っ!」

飛び上がってのタックルが永琳に炸裂。空中でバランスを崩したところを今度は鉄拳を浴びせる。これだけ綺麗にクリーンヒットしているのに、アザ一つつかないあたり、月人の頑丈さがうかがい知れる。いや、人間があまりにもろすぎるだけか……。

永琳「(接近戦では分が悪いわ……)冥界組! ボーっと突っ立ってないで援護なさい!」

うつろな瞳をした妖夢がようやく動き始め、行く手を阻むように立ちふさがった。やや後ろでは幽々子も援護しようとしている。

白蓮「そこをどいてください……。貴女達は傷つけたくない」

その瞳が見据えるもの、それはすべての元凶たるバクテリアンの眼球……。

だが、一時的に得ていた優勢も相手も暗所に目が慣れてしまえば結局は多勢に無勢となり、白蓮は再び窮地に陥る。的確にこちらを狙う三人がかりの複合攻撃には対処しきれず、再び膝をついてしまった。

永琳「往生際の悪い……。今度こそ仕留められなさい!」

再び弓を引きしぼる永琳。その弓につがえられたエネルギー弾だけが、この暗所で不気味な光を放っていた……。



銀翼と妖怪寺SSIX中編に続く……

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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