反射的にアールバイパーの速度を上げる。背後からピシャーンと巨大なフスマのしまる音。
輝夜「思いっきりうちのセキュリティシステムに引っかかっちゃったみたいね。テヘペロ」
貴方「『テヘペロ』じゃねぇぇぇっ!!」
ツッコミの叫びがドップラー効果によって音階を変えながらこだまする。そう言うことは先に言わんかいっ! 何度も閉ざされるフスマの音。あと少し反応が遅れていたらと恐々とした。
どうにかフスマが閉まる前に銀翼を飛ばしていたが、それにも限界が訪れる。迫るフスマ! もはやこれまでか……
輝夜「速度を落とすのよ!」
なにっ!? スピードダウンだって!? これ以上飛ばしても間に合うか微妙だというのに速度なんて落としたら……そうか、わかったぞ!
俺は言われたとおりにスロットルを引き、アールバイパーの速度を落とした。目の前で派手な音を立てて閉じるフスマ。しかし程なくして再び開かれたのだ。
貴方「た、助かった……」
と、安堵するのもつかの間、再び開いたフスマの向こう側は絶望で埋め尽くされていた。
幾重にも閉ざされたフスマ。開く気配すら見られない。これは完全に詰んだか?
いや、よく見るとフスマがわずかに開いている。どういうわけか微妙に左右に開いている個所がブレており、まるでこちらを試しているかのようだった。
……やるしか、ないよね? 俺は機体を地面に垂直に傾け、わずかなスキマをかいくぐっていく。
針の糸を通すような思いを何度もし、フスマ地帯を完全に突破したようである。永琳の待つ最深部まであとわずか……。
→
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
お気に入り登録
/
登録済み一覧
セーブデータ
新規登録・ログイン・マイページはこちら