いつになったら幻想郷の住民達はバイパーを戦闘機だと認識してくれるのだろうか? もしかしたらそんな時など永遠に来ないのかもしれない。だが、俺は言い続ける。
貴方「だから毎度毎度言うが、アールバイパーは変な鳥の妖怪ではなくて……」
またも鈴仙に遮られた。最近まともにツッコミを入れられたためしがない。
鈴仙「姫様、妖怪『アールバイパー』とそれを使役する○○という人間。彼らは命蓮寺の回し者です。私達の計画をとん挫させ、永遠亭を幻想郷から消そうとしているんですよ! お師匠様もそう言っていました。なぜそんな奴と手を組むんですか!?」
その赤い瞳に悪意らしきものはなく、ただただ純粋に自らの組織を良くしていこうという向上心の光のみが宿っていた。鈴仙、お前は騙されているぞ。
しかしこれで納得がいった。輝夜は永遠亭の主であるにもかかわらず、この計画に反対した。ゆえに全てが終わるまで、鈴仙はバクテリアンを用いた異変の成功こそが自分たちの存続の為と思い込み、邪魔にならないよう輝夜を小部屋に縛って幽閉していたのだろう。
鈴仙「とにかくこう出てこられては……。姫様、もう一度眠ってもらいます!」
赤い瞳を光らせ、銃をかたどらせた指をこちらに向ける。臨戦態勢だ。前回は敗走してしまったが、今回は輝夜という強力な味方がいる。
てゐ「待ちな、ウドンゲ」
決戦の火ぶたが切って落とされると思った矢先、妙にドスのきいた声がそれを制止する。困惑する鈴仙をその小さな腕で阻むのはてゐであった。
てゐ「今回は超時空戦闘機とお姫さんが協力し合っている。普通にやり合っても勝ち目は薄い……ウサ」
うっ……。悔しいが輝夜は今のアールバイパーなんかよりもずっと強いのだろう。察しがついたのか、相方のウサギはスポットライトを照らすマシンに手を当てて無理だと口にする。
鈴仙「た、確かに姫様の実力は凄まじいけれど……。でもこの『
バニシングコア
』を動かすエネルギーは貰っていないじゃない! あくまでお師匠様の作戦の為にスポットライトだけが稼働する状態なのよ?」
バニシングコア……? 確かにそう言っていた。バニシングコアとはサーチライトと数多くのミサイルランチャーを装備した哨戒を主な任務とする巨大戦艦。そのライトで侵入者を見つけ出すのだ。
そして次に触れらてたお師匠様とは恐らく永琳のことだろう。やはり、バニシンゴコアを用いて何かを企んでいたのだ。だが、この話の流れからすると奴も戦闘に駆りだされる。そうすれば恐らく下のフロアにいるであろう永琳にも影響を及ぼす筈。白蓮、俺は……いや俺も戦っている。戦っているぞ!
てゐ「ハァ? 『エネルギーがありません』だァ? 察しが悪いなぁ……ウサ」
邪悪な笑みを俺たちにではなく、鈴仙に向けるてゐ。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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