地上に降り立つと息を切らした妖夢がまだこちらに刀を向けて臨戦態勢をとっていた。しかしあまりに弱弱しく覇気が見られない。これ以上の戦闘は限界なのだろう。どうしようか、もう少し攻撃を加えて気絶させるべきか……。
と、俺に付き添って飛んでいた半霊が一直線に妖夢に向かって飛んでいく。真っ白な魂のような形状だった半霊は少しずつ変形する。人の形をとっていた。いや、白く透き通っているところ以外は妖夢そのものの姿であった。
半霊がいまだ赤い瞳をぎらつかせる妖夢を抱き締める。直後、彼女の瞳が青くなった気がした。
妖夢「あ、半霊……」
直後妖夢はその場で崩れ落ちてしまった。半霊も元の形に戻る。
貴方「正気を取り戻したのか……?」
当の本人は気を失ってしまったので判断しかねる。だが、最後の最後に見せたあの表情は平気で人を斬りつけるような凶悪な奴の顔ではなかった。
慧音「終わったのか……? 酷い怪我だ。早く妖夢を永遠亭の病院へ……」
妹紅「ダメだ! 診療所はどういうわけか開いていない」
慧音「妹紅、それは本当なのか!?」
無言で頷く蓬莱人の少女。
妹紅から告げられた驚愕の事実。永遠亭の診療所といえば、迷いの竹林の中にポツリとある、どんな難病も治療できるという外の世界の総合病院をも凌駕する診療所である。竹林に住む妹紅がそう言うのだから開いていないというのは間違いはないのだろう。
それではどうすれば……
白蓮「命蓮寺に運びましょう!」
痛々しい血の跡を残した白蓮が申し出る。今もおなかに手を当てて少し苦しそうだ。
貴方「白蓮こそ病院に……」
白蓮「私の能力を忘れましたか? この程度の怪我、人の体がもつ治癒力を強化すれば大したものではありません。それよりも妖夢さんが心配です。○○さん、妖夢さんをアールバイパーに乗せて命蓮寺に運びましょう」
俺はぐったりとした妖夢を半霊に手伝って貰いつつアールバイパーに乗せる。そして急いで命蓮寺に向かった。
銀翼と妖怪寺SSVIに続く……
あとがき
名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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