あの衝撃的な薪割りからさらに数日後……。俺は白蓮と談笑しながら廊下を歩む。傍には何かと一緒に仕事をする機会の多い半霊が付き添うように飛び回っている。

白蓮「でも半霊も○○さんの傍にベッタリいると、まるで○○さんが半人半霊になったみたいですね」

貴方「ハハハ……、よしてくださいよ。俺は100%人間ですって……ん、どうした半霊?」

その半霊の動きが妙にせわしない。ここ数日の付き合いで俺は言葉を発さないこの不思議な生命体の意思を、ある程度くみ取れるようになっていた。そしてこの全身を使ったジェスチャーで何かしらのSOSを訴えているらしいこともわかる。もう少し見ていると……。

貴方「何、妖夢が目を覚ましそう!?」

俺は静止する白蓮を振り切り、ただただ急いだ。何日も眠りについていた彼女から今回の異変の真相が聞けるのだから。
何の異変が起きているのか、なぜ半霊と離ればなれになってしまったのか、なぜ異変解決のために白玉楼を飛び出したのに人里で辻斬りなどしていたのか……。

聞きたいことは山ほどある。真実を確かめるために俺は少し乱暴に戸を開いた。

布団の中に一人の少女がウンウンとうなされている。悪い夢でも見ているのだろうか。

貴方「おいっ、大丈夫か!」

額からものすごい汗が噴き出ている。俺はそれを拭ってやった。と、次の瞬間うっすらと彼女のまぶたが開かれる。その瞳の色は辻斬りだった時の紅色ではなかった。

妖夢「あ……? っ!?」

彼女にしてみれば目覚めて最初に見たものが見知らぬ男の顔、それもどアップなのだ。驚きの色を隠せないのは仕方のないこと。あれ、今の俺(+半霊)ってかなり迂闊なことしてる……? だってよく考えたら俺ってば寝ている女の子の部屋になだれ込むように入って、顔をものすごく近づけているじゃん。

白蓮「ちょっと○○さ……お、遅かった……」

妖夢「~~~~~~//////」

言葉にならない悲鳴を上げられながら俺は病み上がりの少女とは思えないほどの腕力で突き飛ばされた。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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