突然の声に驚く。あたりを見回すと幽々子が命蓮寺の一室に姿を現していたのだ。

幽々子「暴走していた妖夢が落ち着いたというのに、いつまでも白玉楼に戻ってこないから迎えに来たのよー♪」

これまでの緊縛していた空気が一気に緩むほどのホンワカした口調。俺の傍に付き添う半霊を抱き抱えると頭(と思われる場所)を撫でる。

妖夢「ゆ、幽々子様……。それじゃあその私の半霊ソックリな生き物は何者なんですか?」

幽々子「ううん……。この子は半霊だともいえるし、そうでもないとも言えるわね。○○君と長く行動していたために半霊に独立した人格が形成されたみたい。私と弾幕した時も半霊は○○君をよくサポートしていたわ。あ、あら、そんな気を使わなくてもいいのに」

気がつくと白蓮がお茶とお茶菓子を持っていた。急な客人にあまりにも早い対応、さすが白蓮さんだ。お茶をすすりながら幽々子は続ける。

幽々子「○○君を慕う『想い』が半霊から飛び出して同じ姿を取ったってことね。霊魂は気持ちや意思の集合体とも言えるの。それに妖夢だって半霊を4つにまで増やしたことあったじゃない。何も半霊が増えることはおかしなことではないわ♪」

なんとまあ滅茶苦茶な理論だ。というか半霊って増えるんだ……。4つになったら半霊どころか八分の一霊……? ゴロが悪い。とにかくこの新しく出来た半霊は妖夢との因果関係はないらしいとのこと。いくら触っても妖夢に反応が見られない。

幽々子「それならその子にも名前を付けてあげては? いつまでも『半霊』ではこんがらがってしまうでしょう? 貴方のオプションとして使う時も」

名前か……。確かにずっと半霊って呼び続けるのはペットに名前を付けずに「犬」と呼び続けているようなものである。何て名前にしようか……。そういえばオリジナルの半霊よりも一回り小さいようだ。

貴方「名前は決めた。ちょっと小さいからコンパクトオプション。縮めて『コンパク』」
妖夢「ってそれ私の苗字じゃないですか!」

新しい名を貰い半霊……もといコンパクは嬉しそうである。これで名実ともに俺の仲間だ。あとでネメシスにも会わせてあげよう。彼女はどんな反応をするんだろうか。

幽々子「それで……妖夢に一体何が起きたの? ちゃんと説明して頂戴」

いよいよ本題に入るわけだ。異変解決の為に白玉楼を出た妖夢が半霊とはぐれ、暴走して人里で辻斬りとなり果てた顛末を聞かなくてはならない。

俺もこの件は気になるのだ。応えるように促すと妖夢は重い口を開いた。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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