妖夢「それが……よく覚えていないのです。まるで人里で暴れていたのが夢の出来事のようで……」

俯きながら指を動かしつつ少しずつ記憶を紡ぎ出すように話す。

貴方「もっと前の出来事は? そもそも何の異変が起きていたのか?」

妖夢「は、はい! いつぞやの永夜異変のような異変が起きているんです。みょんに不自然な月の調査をするべく永遠亭に潜入したまでは良かったのですが……」

永遠亭が休業した時期と偽りの月が現れた時期はほぼ一致するのだと言う。昔も永遠亭は月を隠してしまうと言う異変を起こしたことがあり、それの再来なのではと言うのだ。

妖夢「ですが、鈴仙に見つかってしまい、彼女の『狂気の瞳』で……」

「狂気の瞳」とは目を合わせてしまうと狂気に駆られるという恐ろしい紅蓮の眼なのだという。特に妖夢はこの影響を色濃く受ける体質にあるらしく、狂気の瞳で理性を壊され辻斬りになってしまったのだと言う。

コンパク「……」

俺に懐く方の半霊によると、その際に半霊は狂気の瞳の影響を受けなかったので、一人さまよい妖夢を助けてくれそうな人を探していたのだとか。

妖夢「その子の言葉分かるんですかっ!?」
貴方「何となくだけどな」

貴方「それで半霊が目を付けたのが俺だったと……」

チリチリと空気が緊迫で凍りつく。こうなればやることは一つ。

白蓮「かつての『永夜異変』では月の光の影響を受ける妖怪達が苦しんだと聞きます。○○さん、異変の犯人を懲らしめましょう!」

同感である。理由は知らないが多くの人を困らせる異変は止めなくてはならない。俺の銀翼が何かを守る為の力を持つのならば手を貸すのは当然である。言葉には発しなかったが顔つきで白蓮は俺が承諾した旨を理解したようだ。

妖夢「それなら早速殴りこみに……」

幽々子「駄目よ。妖夢はまだ本調子じゃないでしょう? 休養し英気を養うのも庭師の重要な務め。私達は満月の夜に永遠亭へ赴くわ。○○君も白蓮さんと組んで一緒に永遠亭に向かって頂戴。二手に分かれれば相手の戦力も分割されるわ」

確かにアールバイパーも先程の戦闘でかなり傷ついている。修理するのにも時間がかかるだろうし今すぐというのは得策ではないだろう。俺は幽々子の申し出を快諾し、来る日を待つことにした。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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