大部屋の中心にいるのは小柄な少女? 僅かな月明りの中、目を凝らしてみる。
まず目に入ったのが美しく、そして長い黒髪。月明かりに照らされて妖しく光っている。癖毛などまるでなく、余程大切に手入れしていたのであろうことが分かる。王族とか貴族とか、相当の高家とかそんなレベルかもしれない。
だが、それ以上に驚いたのは彼女が縛られていたということ。どう見ても診療所の職員には見えない(そもそも特徴的なウサミミがない)。それでは何故縛られて? 精神を酷く病んでいて外出すら許されていないとか? ……いやいや考え過ぎか。
???「ん……誰? 永琳ではないようね。変な鳥の妖怪? いえ、ノッペリしすぎているから宇宙人?? とにかく……見惚れてないで助けてよ……」
永遠亭のとある大部屋、その中心の柱に縛られている少女という衝撃的なものを見ていて俺の思考回路が一時マヒしていたようだ。見たところ永遠亭の刺客とは思えないし、見るからに衰弱している。幽閉されて随分時間が過ぎているのだろう。救助しようと俺は彼女に近づく。
貴方「だから変な鳥の妖怪でもなければ、宇宙人でもない。超時空戦闘機……」
その矢先、周囲が激しく揺れた。しまった、これも罠だったのか!? 大部屋から出ようと振り向くが入口は無情にも閉じてしまった。俺までも閉じ込められたのか。
???「ちょっ、何? 何なのよ!?」
少女の悲鳴が聞こえ俺は再び反転する。すると球体が黒髪の少女を捕らえていたのだ。囲われてその中心に球体……。
その球体は少女を閉じ込めたままゆっくりと動き出し突進してくる。動きが遅かったので簡単に避けることができたが、球体は壁に当たると跳ね返り更に着地点に砲台を建設していた。あの短時間で……!?
くそう、何処に行っても敵だらけだ。そしてこいつは恐らく……
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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