白蓮が同行するということで俺は彼女をアールバイパーに乗せる。俺が動けるうちは俺が進んで白蓮の体力を温存させるのが狙いだ。
今は竹林をただ一直線に飛んでいる。迷いの竹林というだけあって目視ではどこを進んでいるのかが分からなくなってしまう程だ。しかし俺には(厳密には「アールバイパーには」なのだが)魔力を察知するレーダーがある。はるか遠くに不自然なまでに大きな反応が見えている。あそこで巨大な力が渦巻いているようだ。
白蓮「速い……」
速度に驚き目を白黒させているようだ。得意になってさらに速度を上げる。
俺は不自然なまでに膨れ上がった魔力に導かれるように一直線に進んでいた。間違いない、レーダー上では大きな白い丸で表示されているコレこそが永遠亭だろう。
高速で飛行していると竹林が突然途切れる。何かしらの原因でここだけ妙に見晴らしがいい。急に月明かりにさらされ空を見ると……確かに月がおかしい。不自然なまでに大きいのだ。
白蓮「弾幕、来ますっ! 敵影1、2、3……囲まれている!」
チィッ! 見晴らしのいいところに突っ込んだのがマズかったようだ。弾幕をばら撒きながら接近してくるのは恐らく妖精の類。今は相手をしている場合ではないが……
貴方「飛ばすぞ! 切り抜けるまで一言も喋らないように。舌を噛むから」
バーニア急点火! わらわら寄ってくる敵影を振り切るように絶妙なコントロールで降下しつつ包囲網を抜けていく。
貴方「(邪魔だっ!)」
青い刃「レイディアントソード」を振るい、すれ違いざまに進路先にいた妖精を斬り捨てる。一瞬真っ二つになった胴体が見えた気がするが、すぐに爆発して消え去った。むっ、後ろに取りつかれたか。限界まで高度を下げると今度は急上昇。後ろを向きつつスプレッドボムを投下する。青白い爆風が追っ手を吹き飛ばし、更に目くらましを行い直撃を免れた追っ手を振り切る。
そのままくるりと進路を再度変更した。これだけやれば振り切れるだろう。再び鬱蒼とした竹林へと突っ込む。
貴方「もう大丈夫だ」
改めてレーダーを確認すると永遠亭にかなり近づいたことが分かる。よし、このまま一気に突入するべく再び速度を上げて……
白蓮「待って、永遠亭から高濃度の魔力反応が……」
レーダーを見ると、永遠亭らしき白い点から小さい点がいくつか飛び出しこちらに急接近しているのが分かる。さらにそれよりも小さな点々がアールバイパーのすぐ傍に無数に点在していることも。
その異変に気付いた矢先、虚空からウサギの耳をはやした少女が一直線に跳ねてきた。こいつら、永遠亭の刺客……!?
貴方「急接近する大きなエネルギー反応に、急に姿を現して突っ込んでくる刺客……。嫌な予感しかしない」
突っ込んでくるイナバのウサギどもをいなしているうちに、その予感が的中したことを俺は知ることになる。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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