(少し前、冥界の住人チームは……)


逃げた鈴仙を追いかけ破竹の勢いで突き進む妖夢。そして彼女を援護する幽々子。

妖夢「ええい、逃げ足だけは速いんだから……」

複雑に入り組んだ通路で鈴仙たちを見失ってしまっていた。

幽々子「落ち着きなさい。感情だけで動いていては足元をすくわれてしまうわ」

しかし渦巻く魔力が強くなっているのは二人にも感じ取れていた。黒幕が近い……。

妖夢「あっちです! あの先に永琳がいる筈です!」

いかにもな大部屋。確かに永琳はいそうだが……。

幽々子「待ちなさい妖夢! 警備もいないこんな部屋はハズレかあるいは罠……」

と、言いつつも幽々子もつられて入り込んでしまう。部屋は真っ暗闇で何も見えなかった。

妖夢「大変です! 何も見えません!」

幽々子「分かっているわよ、それくらい。でもこの暗さは異常ね。夜の夕闇というよりは、意図的に暗くされているような……。妖夢、怪しすぎるわ。一度引き返して……妖夢?」

刀を振り回して意気揚々と突き進もうとする半人半霊の姿があった。

幽々子「やめなさい妖……っ、危ないっ!!」

もう一歩踏み出そうとしていた妖夢を突き飛ばす亡霊少女。しりもちをついてしまった妖夢は衝撃的な光景を目にすることとなる。

地面から縄が飛び出ると幽々子を捉えそして空中に吊るしてしまったのだ。

妖夢「あああっ……。幽々子様、今縄を斬りますね」

幽々子「駄目よ妖夢、話をよく聞いて。罠は二段構造になっていて……」

次の瞬間、ズボッという穴のあく音とともに、妖夢は幽々子の前から姿を消した……。

後にはニヒヒと意地悪そうに笑うウサギの声だけがこだましていた……。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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