にとり「くっ! またなのかっ、また暴走を……」

河童の技術力をもってしても転送装置などというものは簡単にできるものではなく。アンカー1つを転送するにもこれだけ苦労しているらしいことが俺にも分かる。

激しい爆発音、それは永遠亭ではなく命蓮寺で俺の為に戦っている方での音。その弾みでアンカーが完全に実体化した。

にとり「ああサヨウナラ、私の貯金……」

力なく膝をつく河童。今ので転送装置が完全に壊れてしまったらしい。

ムラサ「にとり、あんたはよくやったよ……。……コホン、そのアンカーでコアの中心を捉えるんだ」

アンカーはアールバイパーに呼応するかのように吸い付いていた。撃ち込むイメージを持てばアンカーは動いてくれるらしい。ターゲットサイトを覗いてサークルコアの中心を狙う。跳ねまわる奴を捉えるのは至難の技であった。

……今っ! 完全に動きを止めた。俺はアンカーを撃ち出したっ!

…………

……

しかし無情にもサークルコアに弾かれてしまう。弾かれたアンカーはクルクルと回転を起こし、無差別に飛び回った。

貴方「ムラサっ! このアンカーどうやって戻すんだよ! 2つも飛び回る物体があったら俺いよいよ危ない!」

ムラサ「鎖のイメージだ! 錨を鎖で巻き取るようなイメージ!」

くそう、これだから人の弾幕をそのまま使うのは嫌だったのだ! だが、今は泣きごとを言っている場合ではない。暴走アンカーを引き戻さないと……。サークルコアに押しつぶされて二階級特進ならまだしも、自滅してソレだなんて死んでも死にきれない。

アンカーを必死に引き戻そうとするが、変な風に慣性が働いており、錨を引き寄せると言うよりかは釣りをしているような感覚であった。

貴方「うおおお……」

このタイミングでっ! この力でっ! 今まさに回転するアンカーを引き寄せた。

しかし少女を救出するまでこれを繰り返すとなる気が滅入る。……いや、そんな必要はない。クルクル回る物体がつかず離れず行ったり来たり……。思い出せ、そんな兵装があったぞ。

くるくるくるーと飛んでいって、一定の距離でしばらく留まってその後戻ってくるヨーヨーのような……。ヨーヨー! そうだヨーヨーだ!

システムボイス「You got a new weapon!」

来たっ! ちょっとマイナーだったから忘れてたけれど、こんな時にあると嬉しいあの兵装が!




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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