(その頃冥界の住人チームは……)

妖夢「ていやっ!」

刀の一閃。その軌跡からウロコのような形をした弾幕が形成される。それらは標的である鈴仙の左右に向かって放たれ、退路を塞いだのちに第二波の狙い撃ちを繰り出しつつ一気に接近した。

鈴仙「ワンパターン過ぎるわ。その弾幕は既に見切ったと前にも言ったはずよ」

接近する妖夢をその紅の瞳で睨み付ける。

鈴仙「何度挑んでも同じ。再び正気を失うがいいわ!」

勝ち誇り、瞳を輝かせる月の兎であったが、睨み付けた直後、硬直する。妖夢がぐにゃりと溶けたのだ。

いくらなんでもそんな能力は行使していない……というよりそんな能力持っていない。何が起きたのかと狼狽しているうちに、溶けた妖夢はさらに人型の原型を失いゆく。そしてこのトリックの正体を知ることになる。

鈴仙「しまった、半霊……!」

元の姿に戻った半霊はそのまま鈴仙の顔に覆いかぶさり彼女の視覚を奪った。本物の妖夢は一時的に高度を下げて身をひそめていたのだ。

妖夢「これでは自慢の狂気の瞳も使えないでしょう」

床を蹴り、大きく跳躍すると今度はその胴体を向けて一閃。至近距離からのウロコ弾を喰らわせたのだ。とどめの一撃を放った直後、半霊を呼び戻した。

妖夢「私を狂気の深淵から救ってくれた変な鳥の妖怪が教えてくれた技です」

幽々子「おめでとう、妖夢。リベンジを果たせたのね。でも、素直に○○君のオプションの真似しましたって言えばいいのに……」

妖夢が必死に戦っていたというのにこの亡霊少女、ポカンと口を開けて眺めていただけであった。相も変わらずの天然っぷりに妖夢はガクリと肩を落とす。

幽々子「ほら、今日の晩御飯が逃げていくわよ。追いかけないと」

妖夢「だから食べちゃダメですってば!」

みょんににぎやかな冥界の住民たちは逃げる月の兎を追って永遠亭の深部へと進んでいく……。



名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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