(その頃、貴方とアールバイパーは……)


期待して宝塔を覗き込むが、相手は白蓮ではなかった。

ムラサ「苦戦しているようだね。大丈夫○○?」

貴方「俺は大丈夫だが……。敵が人質を体内に捕えている! このままでは救い出せない!」

どうにか接近しようと試みるが、そもそも接近したところで解決策なぞない。

にとり「ふふん。要はあの丸いヤツの中心にいるお姫様を助けたいのだろう? こんなこともあろうかとっ! にへへ……。こんなこともあろうかとっ!! ああ、博士キャラなら何度口にしてもシビれる素敵な言葉……///」

駄目だこの河童、自分の発言で悦に浸ってる。

ムラサ「勿体ぶらずにはよ言えっての。手遅れになるわよ?」

にとり「……オホン。こんなこともあろうかと貯金全部つぎ込んで物質転送装置を開発していたのだっ! 今から助手君のアンカーをそっちに転送する」

「誰が助手だ」とツッコむ手が見えた。そのままその手は河童をグイと掴み引っ張り上げる。代わりに船長が顔を出していた。

ムラサ「いい? アンカーはただぶつけたり、弾幕展開をするだけではないの。うまく使えば遠くのものを引き寄せることが出来るのよ」

どうやら「道連れアンカー」ばりに思い切りアンカーを射出し、サークルコアの中心で囚われているお嬢様を救出せよという事らしい。無理難題に聞こえるが可能性が0でない。他に手もないのだから、いくら望みが薄いからといってもコレに賭けるしかない。

にとり「その為にアンカーをそっちに転送するのだが、座標軸がズレるとうまくいかない。転送中は動かないでほしいんだ」

貴方「待て、正気か!? いま俺はバクテリアンの兵器と戦っているんだぞ! 動かないようにだなんて無理だ」

にとり「今ハッキリと座標軸が分かるのは○○のアールバイパーだけなんだ! 自分でも無茶なこと言っているのはわかる。でもアンカーを転送するにはこうするしか……」

これ以上ないものねだりをしても無駄だろう。ならば無理かもしれないがやるしかない。俺はアールバイパーを空中で静止させる。

にとり「オーケィ、始めるよ……」

通信機の向こう側からガゴンガゴンと機械類が動く音が響く。そして高まる駆動音。本当に始まったらしい。俺はサークルコアの動向を気にしながらこちらに来ないことを祈るくらいしかできなかった。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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