縦穴に潜り込み、見つけた光。新たな通路と確信し、俺は一直線にその場所へと飛ぶ。何の変哲もないメカメカしい通路を少し進むと、少しずつその無機質な壁面から有機物特有のブヨブヨした質感の壁に変わっていく……。

輝夜「なっ、なにこれ……?」

姫様が目と口を覆いながらウエエとえずく。無理もない。まるで巨大な生物の中身のような場所だ。壁面も脳みそなのか、小腸なのか、ウネウネとうごめいており、直視するとグロテスクである。それに、アールバイパーの機体ごしにも生温かさと嫌な湿気が伝わってくるのだ。そう、ここがゼロス要塞の中枢部。そしてその奥に鎮座しているのが……。

我こそ最強! 我こそ宇宙の中心! ハーッハッハッハ……!!


出た、相変わらず下品な笑いを浮かべているグロテスクな顔。こいつが永琳を、間接的には妖夢を狂わせた全ての元凶……ゴーファー!

むん? 遂に現れたか、我が宿敵よ。
我を撃つのか? 最強であるこの我を!?


問答無用で頭から伸びている血管を1本撃ち抜く。頭から数本伸びた血管をすべて断ち切ればゴーファーは倒せるはず。苦痛に顔をゆがめるが、奴は意外な事を口にした。

やはり撃つのだな。しかし、我を破壊したら後悔することになるぞ


貴方「知っているよ。アンタとは別に本当の親玉がいるって言うんだろ?」

そう言いつつ俺は血管を撃ち抜いていく。その度に苦しそうにうめき声をあげる。そしてこちらの予想通りゴーファーは何も抵抗してこない。否、抵抗できないのだ。

そ、そうではない。
蓬莱人の娘の居場所を把握しているのは我だ。
それを聞き出す前に我を倒してしまうと、娘の場所が分からなくなるぞ


そういえばそうだった。俺たちはゴーファーの撃破の他に永琳の救出もしなくてはならなかったのだ。トリガーを引く指が固まる。確かにこれではトドメをさせない。

輝夜「そうよ、永琳を助けなくては! コイツは憎いけれど何とかして聞き出さないと」

確かに永琳を助けなければならないが、どうやって聞き出そう? 1本ずつ血管を撃ち抜いて拷問しようにも吐きそうにないし……。

蓬莱人の娘はこのフロアの反対側、エレベーター地帯の反対側に幽閉している


あれれ? こんなにアッサリ教えてくるとは……。いや待て、いくらなんでもおかしいだろ! こんな状況で出された敵の情報、信用しろというのは無理がある。

輝夜「わかったわ! すぐに助けに行ってくる」

えええっ!? 駄目だ、永琳が絡んできているから正常な判断が下せていない。こうなったら俺は……


輝夜を追わない
輝夜を追う

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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