荒れ狂う爆風の中、一筋の光が走る。大きな矢を番えた背の高い女性、永琳のものだった。
永琳「○○っ、離れて!」
あれは強烈な弾幕を纏わせた矢。確かにあの一撃ならハッチを破壊出来るかもしれない。しかし……
輝夜「永琳、それを撃っては駄目っ!!」
あれだけ強力そうなものだ。足元のおぼつかない場所で放ったら反動で永琳は後ろ側、つまり爆風に飲み込まれてしまうのは明白。ここまで来て永琳の救出に失敗するなんて悔やんでも悔やみきれないだろう。
永琳「姫様、出口をこじ開けないと○○が爆風に飲み込まれてしまうわ。このままでは誰も助からない」
再三制止を呼び掛ける輝夜を無視して、永琳は頑丈なハッチめがけてエネルギー弾を射った。一直線に走る赤と青の光。それらは螺旋を描き、ハッチの中央に着弾。あれだけビクともしなかったハッチに大穴をあけたのだった。
一方の永琳は強烈な弾を放った反動で爆風に向かって飛ばされていく。
貴方「いけないっ!」
俺は機体をターンさせ、リフレックスリングを射出する……が届かない。みるみる月の頭脳が爆風に飲まれ消えていく……
貴方「くっ! もう一回……」
更に永琳に接近し、リフレックスリングを放とうとするが、爆風に煽られて近づけない。これ以上近づくと機体のバランスを崩してしまうだろう。
永琳「○○、姫様を最後までエスコートするのよ。姫様、私がいなくて自堕落な生活など送らず姫らしくお淑やかにするのですよ。私はちょっと帰りが遅くなるけれど……この程度の爆発、なんて事はないわ。……蓬莱人だもの」
なんと……、これでは最初から永琳は自らを犠牲にしていたように聞こえる。
貴方「何を言っているんだよ! 皆で生きて帰るんだ。さあ、一緒に帰ろう! 白蓮とそう約束している。もう一度リングを飛ばすから……」
だが、一際大きな爆発音が響くと、アールバイパーはまるで突風にあおられるように吹き飛ばされてしまう。そのままハッチに開いた大穴を飛び出してしまった。最後の最後に倒した筈のゴーファーが大笑いしている姿が見えた気がした。
輝夜「永琳っ! えいりーん!!」
コクピット内部で外に出ようと暴れる輝夜。気持ちは分かるがそんな事をしても変わらない。そしてどうにか宇宙空間で機体をバランスを取り直す頃に……
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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