(その頃、紅魔館では……)
紅の洋館でもゼロス要塞は異彩を放っていた……。下唇をかみしめながらそれを鋭く睨みつけるのはメイド長こと十六夜咲夜。偽りの月の異変かと思えば奇妙な円盤が出てくるのだから。
そして彼女が一番信じたくなかった事。先程から震えが止まらないのだ。
寒いからでも武者震いをしているからでもない。……怖いのだ。明らかに幻想郷に似つかわない奇妙な円盤だ。メイド長と言えど少女。そう感じるのも無理はない。だが、それを認めたくない咲夜はただ震えをこらえつつ睨みつけることしか出来いのだ。誰の助けも借りられず。
レミリア「咲夜、本当は怖いのでしょう?」
背後から主の声、それも不意にかけられた声だったので咲夜は思わず変な声が出てしまう。
咲夜「おおお、お嬢様! ここにいては危険です。あの円盤がいつ次の行動に移るか分かったものではないのですよ」
ツカツカとメイド長に歩み寄る吸血鬼。その小さな手が咲夜の頬を優しく包んだ。優しく触れられたことで思わず体中の力が抜けてしまう咲夜。へたりとその場に座り込んでしまった。
レミリア「虚勢を張らなくてもいいわ。いつだって運命が味方してくれるのだから。咲夜、ゼロス要塞……緑色の円盤の周りをよく見て御覧なさい。銀色の翼が見えるわね?」
言われたとおりに座り込みながら夜空を凝視する咲夜。そして彼女は見つけた。たった1機で円盤に突っ込まん勢いで飛行する銀色の翼を。
咲夜「あれは確か……お嬢様をショットガンで吹き飛ばした(銀翼と妖怪寺VIIIより)いつぞやの侵入者?」
レミリア「そう、銀翼『アールバイパー』ね。バクテリアンが人類を脅かす時、銀翼は時を超えて人類の希望として飛翔し、あのバクテリアンの要塞を爆破させるそうよ。幾度となく繰り返されてきた運命、歴史、伝説そして神話……。○○がその伝説通りにあんな円盤を爆発させるわよ。そういう運命なのだから……」
咲夜には夜空をバックに腰に手を当てる吸血鬼の少女がとてもカッコよく見えた。いつになくカリスマを放っているように見えたのだ。
パチュリー「よく言うわよ。あの変な鳥の妖怪……アールバイパーだっけ? アレを最初に見つけたのは私なんだけど」
ジト目でレミリアを睨みつけるのは相変わらずゆったりとしたローブに身を包むパチュリーであった。表情を読みにくい彼女ではあるが、口元とその口調から不満を募らせている事が分かる。
パチュリー「それにあの円盤が何者なのかとかその神話だかお笑いだか極上だかは知らないけれど、文献を見つけてきたのも私よ。大体レミィだってそんなに偉そうにしているけれど私が色々と調べる前は……」
サァっとレミリアの顔から血の気が失せる。口封じをしようと翼を展開し紫もやしめがけて接近するが時既に遅し。
パチュリー「『うー、怖いよぅ! 円盤が落っこちてくるよぉ……』って情けない声を上げながら頭抱えてしゃがみこんでいたのは何処の誰だったかしら?」
レミリア「あーあーあー! それ言わないって約束したのに!! パチェのばか~~///」
涙目になりながらポカポカポカと図書館の魔女を殴る吸血鬼。そのやり取りを座り込みながら一部始終見ていた咲夜は少しだけ恐怖心から解放されるのであった。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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