こうしている間にも永琳はゼロス要塞へと運ばれているのだ。モタモタしていると取り返しのつかないことになるかもしれない!

貴方「それを待っている猶予はない。悪いけれど行かせてもらう!」

強制的に通信を遮断し、俺はゼロス要塞めがけてフルスピードで飛び上がった。そしてついに捉えたのだ。永琳を触手で絡め取っていたパラサイトコアを! いや、厳密には遠過ぎて永琳までは見えないが、あの触手を見紛う筈はない。

周囲の空間が熱を持ち赤く変色してきた。じんわりとコクピット内部が熱くなる。

輝夜「だ、大丈夫なの!?」

ぶっちゃけ大丈夫じゃない。でも追わなくては、ここで引き下がったら凄く後悔すると思う。だから俺は突き進む。限界のその時を迎えるまで……。

貴方「輝夜、よく聞いてくれ。今からあんたを『リフレックスリング』で掴んで、パラサイトコアめがけて射出する。輝夜は伸びきったところで飛ぶんだ! そしてパラサイトコアから永琳を救いだしてくれ!」

熱い……。コクピット内の計器類も警告を発しており、赤い光がせわしなく動き回っている。

輝夜「馬鹿言ってるんじゃないわよ! そんなことしたら○○は……」

少し自虐気味にうすら笑いを浮かべながら返す俺。

貴方「ははは、このままじゃあ燃えて何もかも溶けちまうな……。でも輝夜は頑丈な月人だ。きっと上手くいく」

輝夜「やらないわよ! 蓬莱人を何だと思っているのよ!? 確かに頑丈だし絶対に死なない体だけれど、痛いものは痛いし熱いものは熱いの! それにアンタのところの住職がそんな作戦絶対に許さない筈よ。みんな生きて帰るの。私も、永琳も、そして○○も……」

確かに白蓮ならこんな自己犠牲の伴う作戦、絶対に許さないだろう。だが、このままでは……俺は無駄死にしてしまう。空気の摩擦による熱で燃えて溶けて……あっ!

貴方「いいことを思いついた。かぐや姫なら持っているんだろう、『火鼠の皮衣』っ! 貸してくれ。アレがあれば燃えずに済むじゃないか!」

輝夜「ごめん持ってない。……でもいい考えね。ちょっと待って、これで代用できるかしら?」

懐をゴソゴソとやり取り出したのは炎を纏った盾。何か間違っている気がするが……。

輝夜「神宝『サラマンダーシールド』っ!!」

掲げられたスペルカード、その刹那再び感じる謎の一体感。永遠亭で輝夜と共闘した際にカグヤの兵装が使えるようになったあの時のような。アールバイパーを覆うのは真紅の炎。赤きフォースフィールドがアールバイパーの先端に取り付けられた炎の盾からなびくように全身を覆ってくれる。立ちどころに暑さが引いた。




名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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