無縁塚……
魔理沙「遅いぞー。その鳥は私に負けないスピードを持ってるんじゃなかったのかー?」
この陰鬱とした場所に降り立つと不満げな表情をした魔理沙の顔がコクピットにデカデカと映し出された。俺は軽く謝ると周囲を見渡すことにした。
至る所に朽ち果てた骨や、元々は墓石だったであろう崩れた石柱や、元がどのような姿だったのかも分からないようなスクラップが散乱している。そこはもはや墓地としての役割は機能しておらず、正直ゴミ捨て場にしか見えない有様であった。
貴方「本当に使えるものが落ちてるのか?」
アールバイパーから降りるとそこらの鉄くずを手にしてみる。じっと見てみるが……ううむ、さっぱり分からない。というより言うほどメカっぽいのが落ちていないのだ。一方の魔理沙はというとチョコチョコとあちこちを物色しており、手際よくゴミを回収したりまた投げ捨てたりしていた。
魔理沙「うひょー、大当たりだぜ!」
何をもって大当たりなのかは知らないが、彼女にしてみればいいアイテムが落ちていたのだろう。それとは対照的に俺にとって有用なアイテムは一向に見つからない。ん? 見覚えのある機械の塊を見つけた。もしやと思い、俺はそれに近づいてみた。
真っ黒い鏡のような板、その下にはボタンと先端が丸くなっているスティック状の何か。恐らくは外の世界のゲームセンターなんかに置かれているアーケード筐体だったものだろう。
魔理沙「なんじゃいそりゃ?」
いつの間にか魔法使いの少女が俺の後ろにやってきて、俺が見ているものをよく見ようと人の方押しのけて身を乗り出そうとしている。それをさらりと払いのけると俺は筐体に近づきよく調べてみる。
パネルはひどく劣化しており何のタイトルなのかは特定できなかったが、所々かすれながらも読み取れる文章から日本語のゲームであり、なおかつ縦スクロールのシューティングゲームだったらしいことも推測できた。画面が縦長なのも俺の推理を決定づけている。
貴方「何のタイトルか知らないがお前も幻想入りしちまったんだな……」
そう感傷的に浸っていると、近くで派手な爆発音が響いた。思わず身構える俺。
魔理沙「あっちから聞こえてきたぜ!」
そうか、ならばその方向に向かえば……
魔理沙「だからこのホウキは一人乗りだぜ。しれっと乗ろうとするんじゃない!」
いかんいかん、今はちゃんとアールバイパーがあるじゃないか。わざわざ魔理沙のホウキにしがみつく必要はない。
一足先に飛び出していった魔理沙を追いかけるように俺は銀翼に乗り込もうとした。
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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