ゆっくり霊夢「この辺りだよ! お友達、大丈夫かなぁ?」
背後から張り上げた声が聞こえる。ゆっくり霊夢が座席の上をピョンピョン跳ねて仲間が近くにいることを知らせてくれた。先ほどのバクテリアン襲来のことからこの「クモさん」というのもバクテリアンで間違いないだろう。そして奴も近くに潜んでいる可能性が高い。心してかかろう。
貴方「魔理沙、何か見えるか?」
アールバイパーの中では下部を見渡し辛い。レーダーを覗いてみたが、ゆっくり程度の魔力ではまるで反応しないようだ。仕方ないので生身で飛行する相方に状況を聞く。
俺よりも低空を飛行していた魔法使いはしばらく旋回したのちに、「あっ!」と声を上げる。何か見つけたらしい。だが、あまり嬉しそうではない。
魔理沙「うえぇ、私の顔みたいなのがいるぜ……」
考えてみれば気味が悪いよな。自分の顔の生首が飛んだり跳ねたり喋ったりするのだから。声のするほうへと降下すると、確かに生首の妖怪が数体確認できた。魔理沙のようなゆっくり、レミリアのようなゆっくり(すごい満面の笑みだ……)、命蓮寺の星のようなゆっくりもいた。
貴方「これで全員かな? この辺りは危ないから安全な場所まで連れて行ってあげよう」
銀翼から降りると俺は屈みこみゆっくり達に手を差し伸べる。だが、ビクンと体を震わせたかと思うと足もないのにススススと逃げて行ってしまう。人間の足では追い付けない。
貴方「あっ、待て!」
仕方なく再びアールバイパーを起動させゆっくり達を追いかける。ゴミの山にぽっかりと空いた穴に潜り込んでしまったようだ。身を隠したかったのだろうが、これでは袋の鼠だ。知恵はあまりないらしい。
二人でゆっくり達の後を追う。やはり思った通りだ。出入口は一つしかなく逃げ込んだゆっくり達の姿を確認できた。ふうと一息つくと今度こそ確保しようと接近する。
貴方「俺たちは敵じゃないよ。さあ、帰ろ……」
ぱらり……と塵が落ちてきた気がした。そう思うとグラグラと周囲が揺れ始める。地震か!? ええい、四の五の言ってられない。装備をリフレックスリングに換装すると迷子のゆっくりを無理矢理確保しようとするが、それよりも早くに魔理沙が救出する。
魔理沙「自分と同じ顔した奴が潰されるのを見るのは嫌だからな。反射的に手が出ちゃったぜ」
ゆっくり魔理沙「ひっ!?」
ゆっくり星「うえぇん、怖いですー><」
俺は安堵の息を漏らすと、こちらも潰されないように脱出を試みる。しかし、ひときわ大きな物体が行く手を遮るように落下。俺達は思わず停止してしまった。
これだけの大きな瓦礫は壊すのも一苦労……違う、レーダーに強力な反応あり。こいつはバクテリアンだ!
初めに紫色の球体が浮かび上がると、それを守るように蟹の脚のような外殻がくっつく。こいつは……
貴方「グレイブ……」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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