だが、掴んだ瓦礫は非常に重たいようで、挙動がよろつく。落下エネルギーに引っ張られ、あわや瓦礫が魔理沙に直撃しそうになる……が、どうにか持ちこたえた。ふう……。あとは適当な場所にブン投げればOKだ。

魔理沙「おい○○、後ろ……」

背後を指さす魔理沙の一言で俺はヒヤリとした。その直後、一瞬背後でグレイブの中心が光ったのを確認した気がする。

まずい、完全に狙われている。だが、そう思ったころにはもう遅い。虹色のレーザーを薙ぎ払うように照射するグレイブ。機動力を失っていたアールバイパーでは回避が間に合わず、左側の翼に直撃。バランスを失い墜落してしまう。

オマエ、オレノナカマ、タクサン……タクサンコロシタ


ガシャガシャと勝ち誇ったように詰め寄るグレイブ。テレパシーなのだろうが、こちらに語り掛けるは積もり積もった呪詛。コアを閉じたままなので反撃もできない。

オマエモ……ミチヅレ……


脚の一つを大きく持ち上げる。このままアールバイパーを踏み潰すつもりのようだ。くそっ、バイパーはまだ浮かび上がらない。必死にエンジンをふかすが、機能は復帰しない。

シネェェェェェ!!!


ゆっくり星「もうダメです、オシマイでーす!」

振り下ろされる鉄の脚。ゆっくり星はもう助からないとあきらめ泣きじゃくっていた。俺もどうすればいいのかわからない。もはやこれまでか……。

ゆっくり霊夢「諦めないで!」

背後からの激励はゆっくり霊夢のもの。そうだ、オプションたちならまだ動ける。決定打にはならないかもしれないが、せめて時間稼ぎだけでもしよう。そうしているうちに何か、何か突破口が見つかるはずだ。その思いを胸に俺はスペルカードを掲げる。

貴方「操術『サイビット・サイファ』!」

オレンジ色のオーラをまとった上海人形と半霊がグレイブにまとわりつく。バランスを崩したのか、振り上げていた脚を戻してしまった。それを見ていたゆっくり達は魔理沙の手を離れ一緒に突っ込んでいった。

ゆっくり魔理沙「散々いじめてくれたな! もう逃げてばかりなのはゴメンだぜ。倍返しにしてやる!」
れみりゃ「ぎゃおー、ばいがえしー!」
ゆっくり星「ええとええと……えーい!」

次々に反撃に出るゆっくり達。もちろんバイパーの中にいるゆっくり霊夢も例外ではない。一度リデュースを解除して外に出してやった。

もちろん決定打にはなっていないが、当のグレイブも困惑しているはずだ。何せあのレーザーは地面の敵を撃つようには出来ていない。踏みつけようにもこれだけ多くのゆっくりやオプションにまとわりつかれては満足に移動もできない。

そうこうしているうちに再び地面が大きく揺れた。また地震だろうか? だが、グレイブはゆっくり達にまとわりつかれて動けないでいる。ではいったい……?

一際大きな揺れは天井を崩すのには十分すぎる威力であった。

貴方「グレイブの真下に逃げ込め!」

動けぬ蟹は脅威でも何でもない。いまだに動けないアールバイパーは乗り捨ててグレイブの股下に陣取る。遅れて魔理沙、ゆっくり達がもぐりこむ。

ガラガラガラと天井が崩れ、久方ぶりに空を見た気がした。その空に今の揺れの原因であろう誰かが浮遊していた。

貴方「お、お前は……?」



銀翼と妖怪寺TFV IIに続く……
あとがき

名前:聖白蓮
身体強化率326%

お姉ちゃん!

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