いまだに腰を抜かしていた俺に手を差し伸べる。どこぞの乱暴者の巫女や泥棒魔法使いとは違って非常に礼儀正しい方と見受けられる。俺は安心してその手を握る。
早苗「いえいえ、こんなの大したことありません。それよりもお怪我はありませんか?」
よいしょと立ち上がると巫女はニコリと微笑み「東風谷早苗です♪」と自己紹介してくれた。こちらも名乗ろうとした矢先、魔理沙が割って入ってきた。
魔理沙「凄いよな、あんなバカでかい怪物をいとも簡単にやっつけちゃうんだから。私もウカウカしてられないぜ」
ただ素直に強さを褒め称える魔理沙であったが、早苗さんは少しはにかみながら首を横に振るだけであった。
早苗「いえいえ、たまたま私がグレイブのことを知っていたので何とかなっただけです。しかしこんなスクラップ置き場に現れるなんてまるで『グラディウス外伝』のワンシーンですね。……まあ魔理沙さんに言っても何の事だかサッパリだとは思いますが」
っ! 待て、今早苗さんは何と言っていた? 聞き間違いでなければ「グラディウス外伝」と言っていたぞ? 幻想郷の住民がどうして外界のゲームのことを知っている?
貴方「おい、今なんて……」
早苗「さて、探し物の途中だったので私は失礼します。これだけ探しても見つからないし、ここにはいないのでしょう。魔理沙さんもお宝探しに精を出すのはいいですが、あんまりボーイフレンドを危険な目にあわせてはいけませんよ? その……個人的には応援していますので」
だが、こちらの制止する声に気が付かずに早苗さんは空を飛び無縁塚を去っていく。魔理沙の「なっ/// そういう関係じゃないぜ!」と騒ぎ立てる声をバックに。俺も追いかけ……って生身では空を飛べない。勢い良くジャンプしたはいいものの、すぐさま重力に縛られてしまった。
貴方「ちくしょう……」
俺が空を飛ぶために必要な道具は今ガレキの下に埋まっている。わずかに銀色の翼が見え隠れしているので場所自体はわかるが、これを掘り返すのは至難の業であろう。
今の早苗さんの発言のせいでお互いに気まずくて目を合わせられない。いかんいかん、変なこと意識している場合ではない。ガレキに埋まった銀翼を掘り出さないと俺は帰ることすらできなくなる。
少し探すとボロボロになったスコップのようなものを見つけた。数本あるしこれを拝借しよう。魔理沙の分のスコップも確保すると俺は銀翼の真上に移動する。なんと魔理沙がアールバイパーの埋まっている場所めがけてミニ八卦炉を向けていた。
思わず悲鳴を上げながら制止する。
貴方「それはやめて! 俺の銀翼を本当にスクラップにするつもりか! 地道に掘り返すぞ」
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名前:聖白蓮
身体強化率326%
お姉ちゃん!
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